WinActorの使い方 シナリオ作成の3ステップと基本操作・つまずきやすい点を解説

WinActorの使い方 シナリオ作成の3ステップと基本操作・つまずきやすい点を解説

「RPAを導入したものの、担当者以外は誰も触れない」「操作を記録して動かしてみたが、翌日には止まっていた」。WinActorをめぐる相談で最も多いのが、この2つです。

WinActorは、パソコン上の操作をシナリオという形で記録し、人の代わりに実行させるRPAツールです。NTTアドバンステクノロジが提供する純国産の製品で、画面もマニュアルもすべて日本語という点が国内で広く使われている理由になっています。

操作を記録するだけならその日のうちに動きます。ただし、それをそのまま業務に載せると、画面の位置がわずかに変わっただけで停止します。実務に耐えるシナリオにするには、変数や分岐、例外処理の考え方が欠かせません。

この記事では、画面構成と基本操作から、シナリオ作成の3ステップ、実務で必要になる機能、動かなくなる原因とその対処、そしてライセンスと費用の目安までを順に整理します。

確認したいポイント結論詳細
WinActorで何ができる?PC操作をシナリオ化して自動実行Excel、ブラウザ、業務システムなど画面上の操作を記録・部品化し、人の代わりに実行させられます。
プログラミングは必要?不要。操作の記録から始められる操作を記録すればシナリオが自動生成されます。ただし実用化には変数や分岐の理解が必要になります。
費用はいくら?年間30万円台から100万円超までノードロックの実行版が年間300,080円、フル機能版が年間1,098,680円です(いずれも税込)。
つまずきやすいのは?記録しただけでは実務に耐えない画面位置のずれ、例外処理の不足、属人化が典型です。設計と保守の考え方が必要になります。

この記事でわかること

  • WinActorの画面構成と、ノード・ライブラリ・変数一覧といった基本要素の役割
  • 自動記録から変数化、データ一覧の設定までを通したシナリオ作成の3ステップ
  • 分岐、繰り返し、例外処理など実務のシナリオで必要になる機能の考え方
  • 動かなくなる原因の切り分け方と、保守しやすいシナリオにするための工夫
  • 3種類のライセンスと3つの種別の違い、および費用の目安
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目次

WinActorとは|純国産のRPAツール

WinActorは、NTTアドバンステクノロジが提供するRPAツールです。RPAとは、人がパソコン上で行っている定型的な操作を、ソフトウェアに代行させる仕組みを指します。

2010年にNTTの研究所で生まれた国産製品で、操作画面とマニュアルがすべて日本語で提供されている点が特徴です。海外製ツールで起こりがちな、用語の意味が分からず調べる時間が発生するという問題が起きにくくなっています。

何ができるツールなのか

対象になるのは、画面上で人が行っている操作全般です。特定のアプリケーションに限定されず、Excel、ブラウザ、メールソフト、社内の業務システムなどをまたいで処理を組めます。

たとえば、基幹システムから出力したCSVをExcelで加工し、その内容をブラウザ上の別システムに1件ずつ入力していく。この一連の流れをそのまま自動化できます。

APIが用意されていないシステムでも操作できる点が、他の自動化手段との大きな違いです。画面を人と同じように操作するため、連携用の仕組みを持たない古いシステムにも適用できます。

シナリオという考え方

WinActorでは、実行させたい処理の流れをシナリオと呼ばれるフローチャート形式のファイルとして作成します。開始と終了の間に処理を並べ、必要に応じて分岐や繰り返しを入れていく構造です。

考え方は一般的なプログラムと変わりません。条件によって処理を分ける、決まった回数だけ繰り返す、値を変数に入れて持ち回るといった要素がすべて登場します。

コードを書かないだけで、プログラムを作っていることに変わりはないという認識を最初に持っておくと、後の学習がスムーズになります。ここを「操作を覚えるだけ」と捉えると、実用段階で行き詰まります。

向いている業務と向かない業務

適しているのは、手順が決まっていて、判断が入らず、件数が多い業務です。データの転記、定型帳票の作成、システムへの一括登録、定期的なデータ取得などが代表例になります。

反対に、内容を読んで判断が必要な作業、例外が毎回異なる作業、月に数件しか発生しない作業には向きません。シナリオを作る手間が、削減できる時間を上回ってしまうためです。

また、Microsoft 365やGoogle Workspaceの中で完結する処理であれば、Power AutomateやGoogle Apps Scriptのほうが安価で保守も容易です。手段の比較はAIツール比較|法人利用で見るべき7つの軸と主要ツールの違い、料金の目安で整理しています。

画面構成と基本操作

起動するとウェルカムページが表示され、「新しいシナリオを作成する」を選ぶと編集画面に移ります。最初に覚えるべきは4つの領域だけです。

メイン画面の見方

画面中央に表示されるのがフローチャート画面です。ここにシナリオの処理を並べていきます。開始と終了のノードが最初から置かれており、その間に処理を追加していく形になります。

画面左側には、シナリオを組み立てるための部品が並んでいます。この部品を中央のフローチャートへドラッグ&ドロップするのが基本の操作です。

そのほか、シナリオ内で使う値を管理する変数一覧、連続実行させるデータを管理するデータ一覧という領域があります。この4つの関係を理解すれば、基本操作は把握できたことになります。

ノードとライブラリの違い

左側に並ぶ部品は、ノードとライブラリの2種類に分かれています。混同しやすいところなので、役割を分けて覚えます。

  • ノード:分岐、繰り返し、待機、変数のセットなど、処理の流れそのものを制御する部品
  • ライブラリ:Excelを開く、セルの値を取得する、ブラウザをクリックするなど、具体的な操作を行う部品

シナリオの骨格をノードで作り、実際の作業をライブラリで実行するという関係です。ライブラリは数百種類が標準で用意されており、やりたい操作の大半はここから探せます。

目的のライブラリが見つからないときは、名前で検索します。「Excel」「ファイル」「クリック」といった単語で絞り込むのが早い探し方です。

変数一覧とデータ一覧の役割

この2つを理解しているかどうかが、初心者と実務レベルの分かれ目になります。

変数一覧は、シナリオの中で使い回す値の入れ物です。顧客名、金額、ファイルパスといった、実行のたびに変わる値をここで定義します。値を直接シナリオに書き込まず、変数に置き換えることで汎用性が生まれます。

データ一覧は、連続して処理させたいデータの一覧表です。100件の登録作業であれば、100行のデータをここに読み込ませます。シナリオは1行ずつ読み取りながら、同じ処理を繰り返します。

この仕組みにより、1件分の処理を作るだけで、何百件でも自動処理できるようになります。WinActorの効果が最も分かりやすく出る部分です。

シナリオを作る3つの方法

WinActorには、シナリオを作成するための環境が複数用意されています。利用者のレベルや用途に応じて選べるようになっており、それぞれ得意な場面が異なります。

標準エディタの自動記録方式

最もよく使われる方法です。記録を開始してから普段どおりにパソコンを操作すると、その内容がシナリオとして自動で組み立てられます。テキストの入力、値の取得、選択、クリックといった操作が対象になります。

Excelのマクロ記録に近い感覚で、プログラミングの知識がなくても最初のシナリオが完成します。何ができるツールなのかを体感するには最短の方法です。

ただし後述するとおり、自動記録だけで実用的なシナリオを作ることはできません。記録した内容を土台に、手作業で調整していく前提で使います。

標準エディタのライブラリ積み上げ型

ノードとライブラリを1つずつドラッグ&ドロップして、シナリオを組み立てていく方法です。操作に慣れた人向けの作り方とされています。

手間はかかりますが、処理の内容を自分で把握しながら作れるため、後から修正しやすいシナリオになります。実務で運用するシナリオは、最終的にこの形に近づいていきます。

現実的な進め方は組み合わせです。自動記録で大枠を作り、そこにライブラリで処理を足していくという手順であれば、速さと保守性を両立できます。

AI連携シナリオエディタと作成支援の機能

近年追加された作成方法です。AI連携シナリオエディタは、どのようなシナリオを作りたいかを対話形式で入力すると、AIがシナリオのひな形を作成します。

もう1つの「シナリオ作成ガイド」は、画面に表示される案内に沿って操作していくだけでシナリオが完成する仕組みです(機能名は公式の表記に合わせています)。何から手をつければよいか分からない段階で役立ちます。

いずれも出発点を作るための機能であり、出てきたひな形をそのまま業務に載せられるわけではありません。中身を理解して調整する工程は、どの方法を選んでも必要になります。

どれから始めるべきか

初めて触るのであれば、自動記録方式から入るのが最も分かりやすい選択です。動くものが短時間でできあがるため、周囲への説明もしやすくなります。

その後、記録した内容を1つずつ確認しながら、変数への置き換えや分岐の追加を進めます。この過程で、ノードとライブラリの役割が自然と身につきます。

詳しい手順は公式のWinActor 初心者向けコンテンツにも動画つきで掲載されています。メーカーが提供する情報から入るのが、遠回りを避ける方法です。

使い方の基本|自動記録で作る3ステップ

ここからは実際の作成手順です。題材は、Excelに入力された内容を、システムの画面に1件ずつ登録していくという、RPAで最も多い形の業務とします。

この3ステップは公式でも紹介されている進め方で、初心者が最初に通る道筋になります。

ステップ1|操作を自動記録する

まず、1件分の作業を最初から最後まで通しで記録します。記録を開始し、対象のシステムを開いて、実際に1件登録するところまでを普段どおり操作します。

記録を止めると、操作した内容がフローチャートとして生成されています。この時点で実行すると、記録したとおりの1件が再現されます。

記録の前に一度リハーサルしておくと、無駄な操作が混ざりません。記録中に迷ってあちこちクリックすると、その動きもすべてシナリオに残ってしまいます。

ステップ2|固定値を変数に置き換える

記録された直後のシナリオには、入力した値がそのまま固定値として埋め込まれています。この状態では、何度実行しても同じ内容が登録されるだけです。

そこで、入力値の部分を変数名に置き換えます。氏名、住所、電話番号といった項目ごとに変数を用意し、固定値と差し替えていく作業です。

必要な変数はExcelをインポートすることでまとめて設定できます。1つずつ手で追加する必要はありません。ここが自動記録方式で最も効率が上がる部分です。

この置き換えが終わった時点で、シナリオは「決まった1件を登録するもの」から「渡された値を登録するもの」に変わります。

ステップ3|データ一覧で連続実行させる

最後に、処理させたいデータをデータ一覧に取り込みます。連続実行させるデータを一括でインポートすることで、行数分の処理が繰り返されます。

100行のデータを読み込ませれば、100件が順に処理されます。1件分の処理を作っただけで大量の作業が片付くという、RPAの効果が最も分かりやすく出る瞬間です。

初回は必ず数件だけで試します。いきなり全件を流すと、間違った内容が大量に登録されて後始末が大変になります。3件ほどで結果を確認してから、本番の件数に広げます。

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実務で必要になる基本機能

3ステップで作ったシナリオは、あくまで理想的な条件でしか動きません。実際の業務には例外があるため、次の機能を組み込んでいく必要があります。

分岐で条件によって処理を変える

「金額が10万円以上なら承認欄にチェックを入れる」「区分が新規なら別の画面に進む」といった条件による処理の切り替えには、分岐のノードを使います。

分岐の条件には変数の値を使います。データ一覧から読み取った値を判定して、進む先を変えるという組み方が基本形です。

分岐を増やすほどシナリオは複雑になります。入れ子が3段を超えたあたりから追いにくくなるため、その場合は処理そのものを分けることを検討します。

繰り返しで複数件を処理する

データ一覧を使う場合は繰り返しが自動的に働きますが、それ以外の場面でも繰り返しは頻繁に登場します。フォルダ内のファイルを順に処理する、画面の一覧を最終行まで読み取るといったケースです。

繰り返しには、回数を指定する方式と、終了条件を判定する方式があります。件数が事前に分からない場合は終了条件を使うのが基本です。

注意点は、終了条件が成立しないと処理が止まらなくなることです。最大回数の上限も併せて設定しておくと、想定外の状況でも暴走しません。

例外処理でエラー時の動きを決める

実務のシナリオで最も重要な部分です。エラーが起きたときにどうするかを決めておかないと、途中で止まったまま誰も気づかないという事態になります。

システムの応答が遅い、想定外の画面が出た、対象のデータが見つからない。こうした状況で、処理を飛ばして次に進むのか、その場で止めて通知するのかを設計します。

エラー時にログを残し、担当者へ通知を送るという処理を入れておくと、翌朝には状況が把握できます。無人で夜間実行させる場合は必須の作り込みです。

サブシナリオで部品化する

同じ処理を複数のシナリオで使う場合は、その部分をサブシナリオとして切り出します。ログイン処理、ファイルの保存、通知の送信といった共通部分が対象になります。

部品化しておくと、仕様が変わったときの修正が1か所で済みます。逆に、同じ処理を各シナリオにコピーしていると、10本あれば10か所を直すことになります。

公式サイトでは、サンプルシナリオやライブラリが公開されています。ゼロから作らず、使えるものを取り込むという発想を持つと、作成の負担は大きく下がります。

スケジュール実行と管理

作ったシナリオを決まった時刻に自動実行させるには、スケジュール設定を行います。日次の集計、月初の帳票作成といった定期業務に使います。

複数の端末やシナリオをまとめて管理したい場合は、WinActor Manager on CloudやWinDirectorといった管理製品を組み合わせます。シナリオの本数が増えてから検討すれば十分です。

無人で動かす場合は、パソコンがスリープしない設定、画面がロックされない設定も必要になります。技術面より環境面でつまずくことが多い部分です。

つまずきやすい点と対処法

ここからは、実際に運用を始めてから直面する問題を整理します。いずれも事前に知っていれば避けられるものです。

自動記録だけでは実用にならない

最初にぶつかる壁です。記録したシナリオはその場では動きますが、業務データが変わる、画面の状態が違う、読み込みが遅いといった条件で簡単に止まります。

自動記録は下書きを作る機能だと捉えます。そこから、値の変数化、待機処理の追加、分岐の組み込みという作業を経て、初めて実用的なシナリオになります。

この工程を見込まずにスケジュールを立てると、必ず遅れます。記録に1時間、調整に半日から数日というのが実際の感覚です。

画面の位置指定で動かなくなる

RPA全般に共通する弱点です。画面上の座標や位置を頼りに操作している場合、ウィンドウサイズや解像度が変わっただけで対象を見失います。

対策は、可能な限り座標以外の方法で対象を指定することです。ブラウザであれば要素の属性やXPathで指定する、Excelであればセル番地で指定するといった方法があります。

また、実行する端末の画面解像度と表示倍率を固定するという運用ルールも有効です。開発した端末と実行する端末で設定が違うと、そこだけで動かなくなります。

処理の途中で止まる

システムの読み込みが終わる前に次の操作へ進んでしまうのが、最も多い原因です。人は画面が表示されるまで待ちますが、シナリオは待たずに次へ進みます。

対策として待機処理を入れますが、固定の秒数を指定するのは避けます。ネットワークの状況で読み込み時間は変わるためです。特定の要素が表示されるまで待つという条件付きの待機が理想です。

どこで止まっているか分からない場合は、シナリオを1ノードずつ実行するデバッグ機能を使います。止まる直前のノードを特定できれば、原因の大半は絞り込めます。

実行速度が遅い

件数が増えると、処理時間が業務時間を圧迫することがあります。多くの場合、画面操作を経由している部分がボトルネックです。

Excelの読み書きであれば、画面上で1セルずつ操作するのではなく、ファイルを直接扱うライブラリに置き換えると大幅に速くなります。待機時間の見直しも効果があります。

それでも間に合わない場合は、そもそもRPAが最適な手段かを見直します。システム間の連携であれば、RPAより直接的なデータ連携のほうが速く安定します。

作った人しか触れなくなる

技術的な問題ではありませんが、最も深刻な問題です。シナリオの中身が誰にも分からないまま、担当者が異動するという状況が実際に起きています。

対策は3つあります。処理の目的と流れをドキュメントに残すこと、ノードに分かりやすい名前を付けること、そして命名規則を決めて全社で揃えることです。

シナリオ作成に入る前に、仕様を文書化しておくという順序を守ると、後からの引き継ぎが現実的なものになります。作りながら考えると、記録が残りません。

ライセンスと費用の目安

導入を検討する段階では、ライセンスの種類と種別の組み合わせを理解しておく必要があります。以下はWinActorライセンス紹介(公式)に記載されている内容にもとづきます。

3種類のライセンス

ライセンスの種類は、ノードロックライセンス、フローティングライセンス、AI連携ライセンスの3つです。

  • ノードロックライセンス:1ライセンスで1台にインストール。管理は各端末で行い、台数分のライセンスが必要
  • フローティングライセンス:端末を限定せず利用できるが、ライセンス管理製品が必須。同時利用する台数分が必要
  • AI連携ライセンス:管理製品が不要で、生成AIとの連携機能をすぐに利用できる。同時利用する台数分が必要

まず1台から始めるならノードロックが手軽です。複数部署に広げる段階でフローティングを検討するという順序が一般的になります。

なお、ノードロック用のWinActorと、フローティングやAI連携用のWinActorを同一のパソコンで併用することは非推奨とされています。

3つの種別

種別は、シナリオの作成や編集ができるかどうかで分かれます。

  • フル機能版:シナリオの開発、編集、実行がすべて可能
  • 実行版:実行のみが可能で、利用者による作成と編集はできない。安価に社内展開できる
  • 管理実行版:管理ツールからの指示でのみ実行。フローティングライセンスでのみ提供され、実行中だけライセンスを消費する

開発者にはフル機能版、利用するだけの部署には実行版という組み合わせが、費用を抑える基本の考え方です。全員にフル機能版を配る必要はありません。

価格の目安

WinActor Ver.7の年間ライセンス利用料は、ノードロックライセンスの場合、フル機能版が1,098,680円、実行版が300,080円です(いずれも税込のメーカー希望小売価格)。

AI連携ライセンスは、フル機能版が2,197,800円、実行版が600,600円となっています。フローティングライセンスは各種別ともオープン価格のため、販売店への確認が必要です。

年額での費用が継続的に発生するため、削減できる工数と照らして判断します。フル機能版1本であれば、月あたり9万円強を上回る効果が出るかという計算になります。

価格は改定される可能性があります。検討時は必ず公式サイトと販売店で最新の情報を確認してください。

習得と社内展開の進め方

ツールを入れただけでは効果は出ません。中小企業庁の2025年版中小企業白書では、DXに向けた取り組みを進めるうえでの問題点として、費用の負担が大きいことと推進する人材が足りないことが、取り組み段階を問わず高い割合で挙げられています。

最初の1本の選び方

対象業務の選定で、その後の展開が決まります。手順が完全に固まっていて、月に何度も発生し、失敗しても影響が小さい業務を選びます。

具体的には、日次のデータ集計、定例レポートの作成、システム間の単純な転記などが候補です。逆に、月次の決算処理のような一発勝負の業務を最初に選ぶのは避けます。

また、現在の手順をそのまま自動化しないという点も重要です。人がやりやすいように組まれた手順には無駄が含まれています。まず業務そのものを見直してから、シナリオ化を検討します。

公式の学習リソースを活用する

WinActorには、製品に同梱されるハンズオン教材のほか、公式サイトで動画、サンプルシナリオ、ライブラリ、TIPS資料などが公開されています。

初級者向けのセミナーも定期的に開催されており、無料のものもあります。独学で進める前に一度参加すると、遠回りを避けられます。認定資格の制度も用意されています。

検索で見つかる個人ブログも有用ですが、バージョンによって画面や機能が異なります。動かないときはまず公式のマニュアルで確認するという順序を守ります。

社内に広げるときの体制

1人が全社分のシナリオを作る体制は、必ず限界を迎えます。現場が自分で作れる状態を目指すか、専任者が集中して作る体制にするかを最初に決めます。

現場開発型であれば研修とルール整備が必要になり、専任開発型であれば業務ヒアリングの仕組みが必要になります。どちらを選ぶかで、必要なライセンスの種類も変わります。

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まとめ

WinActorの使い方は、操作を自動記録し、固定値を変数に置き換え、データ一覧で連続実行させるという3ステップが基本形です。ここまでであれば、プログラミングの知識がなくても短時間で到達できます。

ただし、実務で使い続けるには分岐、繰り返し、例外処理、部品化といった機能が必要になります。コードを書かないだけで、作っているのはプログラムだという認識が出発点です。

つまずきやすいのは、自動記録のままでは止まること、画面の位置指定に依存すると壊れること、そして作った人しか触れなくなることの3点です。いずれも設計と記録の残し方で防げます。

費用は年額で継続的に発生します。ノードロックのフル機能版が年間1,098,680円、実行版が年間300,080円という水準を踏まえ、削減できる工数と照らして判断します。

まずは手順が固まっていて件数の多い業務を1つ選び、自動記録から試してみてください。1本動けば、次に何を自動化すべきかは自然と見えてきます。

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この記事の監修者

石丸真平

石丸真平

株式会社ネクストスケール 代表取締役

株式会社ネクストスケールの代表。「AI時代に勝てる企業組織を共に創る」を掲げ、法人向けの生成AI研修とAX(AIによる企業変革)の伴走支援を手がける。経営課題の整理からAI活用領域の設計、ツール選定、業務への組み込み、社内定着、ROI測定までを一気通貫で支援。単なる効率化ではなく、経営戦略としてAIを活かす視点での支援を得意とする。Xでは「本当に仕事で使えるAI」をテーマに、実務で使えるノウハウを発信している。
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