Power Automate Desktopの使い方 できること・始め方・自動化の具体例・注意点を解説
2026年9月16日
著者:NEXT SCALE編集部
監修者:石丸真平

「毎日エクセルへ同じデータを転記している」「Webサイトの情報を手作業でコピーしている」「プログラミング不要で業務を自動化したい」。こうした課題の解決に役立つのがPower Automate Desktopです。
Power Automate Desktopは、Microsoftが提供するデスクトップ型のRPAツールで、パソコン上で人が行っているマウスやキーボード操作を自動化できます。Excelへの入力やWebサイトからの情報取得、ファイル操作などの定型業務に活用でき、システム改修を行わずに業務効率化を進められる点が特徴です。
本記事では、Power Automate Desktopでできること、始め方、業務での具体的な自動化例、運用時の注意点まで、初心者にもわかりやすく解説します。
| 確認したいポイント | 結論 |
| Power Automate Desktopとは? | パソコン上の操作を自動化できるマイクロソフトの無料RPAツール。Windows 11に標準搭載 |
| プログラミングは必要か? | 不要。操作部品をドラッグ&ドロップで並べて自動化の手順を構築できる |
| クラウド版との違いは? | デスクトップ版はパソコン上のアプリ操作を自動化。クラウド版はウェブサービス間の連携を自動化 |
| 無料で使えるか? | 無料で利用可能。2025年11月の更新でURL・ショートカット経由の実行が無償版にも開放され、Windowsのタスクスケジューラと組み合わせた定時実行もできる |
この記事でわかること
・Power Automate Desktopで自動化できる操作の全体像
・インストールからフロー作成までの始め方3ステップ
・エクセル操作、ウェブ操作、ファイル操作など業務別の自動化例
・クラウド版Power Automateとの違いと使い分け
・運用時に注意すべきポイントとエラーへの対処法
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Power Automate Desktopでできること
Power Automate Desktopは、パソコン上で人間がマウスとキーボードを使って行っている操作を、プログラムに記録して自動的に再実行する仕組みです。具体的には、人間がマウスとキーボードで行っていた以下のような操作を、そのまま再現する形で自動化することが可能であり、システムの改修や追加開発を伴わない点が大きなメリットです。
エクセルの操作 ─ データの入力・集計・転記・書式設定
エクセルファイルを開いてデータを読み取る、特定のセルに値を入力する、複数のシートからデータを集計する、書式を一括で設定するなど、日常的にエクセル上で手作業で繰り返している定型操作のほぼすべてを、ボタン一つの操作で自動的に実行させることが可能です。毎朝の売上集計や月末のレポート作成など、繰り返し発生するエクセル作業がボタン一つで数十秒のうちに正確に完了するようになります。
ウェブブラウザの操作 ─ ウェブサイトからの情報取得・入力
ウェブサイトを自動で開いて特定のページに移動し、画面上の情報を読み取ってエクセルに転記したり、ウェブ上の入力フォームに社内のデータを自動で入力して送信したりする操作を自動化できます。社内のウェブシステムへのデータ登録や、取引先のウェブサイトからの情報収集を毎回手作業で行っている場合に手作業によるコピー&ペーストと目視確認にかけていた時間が劇的に削減され、業務の生産性向上に大きな効果を発揮します。
ファイルとフォルダの操作 ─ 移動・コピー・リネーム・整理
ファイルのコピー、移動、削除、名前の変更、フォルダの作成など、パソコン上のファイルとフォルダに対する操作も自動化できます。「毎日決まったフォルダから新しいファイルを取得して別のフォルダに移動する」「ファイル名に日付を付けてリネームする」といった作業を、手作業なしで自動実行できます。
デスクトップアプリケーションの操作 ─ 社内の業務システムの入力
ウェブブラウザ以外のデスクトップアプリケーション(社内の業務システム、会計ソフト、基幹システムなど)に対しても、ボタンのクリック、テキストの入力、メニューの選択といった画面操作を自動化できます。人間がマウスとキーボードで行っている操作を、そのまま自動化プログラムに置き換えることが可能です。
メールの操作 ─ メールの送受信・添付ファイルの取得
指定した条件に合致するメールを受信トレイから検索し、添付ファイルを自動的に保存したり、テンプレートに基づいたメールを自動で作成・送信したりする操作も、Power Automate Desktopによる自動化の対象に含まれます。「毎朝届くレポートメールの添付ファイルを特定のフォルダに保存する」といった定型作業を自動化できます。
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Power Automate Desktopの始め方 ─ 3ステップ
ステップ1:Power Automate Desktopをインストールする
Windows 11のパソコンをお使いの場合は、Power Automate Desktopが標準でインストールされているため、スタートメニューから検索して起動するだけで利用を開始できます。Windows 10の場合はマイクロソフトの公式サイトから無料でダウンロードしてインストールします。初回起動時にマイクロソフトアカウントでサインインすれば、すべての基本機能が無料で使える環境が整い、自動化の第一歩をすぐに踏み出すことができます。
ステップ2:新しいフローを作成して操作部品を並べる
Power Automate Desktopを起動したら「新しいフロー」を作成し、画面の左側に表示される操作部品(アクション)の一覧から、自動化したい操作に対応する部品を選んで画面の中央にドラッグ&ドロップで配置していきます。たとえば「エクセルを起動する」→「ワークシートからデータを読み取る」→「別のファイルに書き込む」→「エクセルを閉じる」のように、自動化したい手順を操作部品として順番に並べるだけで、プログラミング不要の自動化フローが完成する仕組みです。
ステップ3:フローを実行して動作を確認する
フローが完成したら実行ボタンを押すと、画面上でマウスが自動的に動き、設定した操作が順番に実行されていく様子をリアルタイムで確認できます。期待通りに動作しない部分があれば、該当する操作部品の設定を修正して再実行します。1ステップずつ実行できるデバッグモードも搭載されているため、どの操作部品でエラーが起きているかを一つずつ順番に確認でき、問題箇所の特定と修正が容易に行える設計になっています。
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業務での自動化の具体例
例1:ウェブサイトからのデータ収集をエクセルに自動転記
取引先のウェブサイトから毎日確認している価格情報や在庫情報を、Power Automate Desktopがブラウザを自動で操作して読み取り、エクセルの指定したシートに自動で転記するフローを構築できます。毎日の確認作業に費やしていた30分の手作業が完全に自動化され、作業者は自動で作成されたエクセルデータを確認するだけで済むようになります。
例2:社内の業務システムへのデータ入力の自動化
エクセルにまとめた受注データや顧客情報を、社内の業務システムの入力画面に一件ずつ自動で入力していくフローを構築できます。手作業での入力では1件あたり数分かかっていた作業が、自動化により数秒で処理され、手作業による入力ミスや入力漏れが仕組みとして完全に排除され、データの正確性が飛躍的に向上します。
例3:定型メールの添付ファイルを自動保存・整理
毎朝届くレポートメールの添付ファイルを自動的にダウンロードし、日付入りのファイル名にリネームして、月ごとのフォルダに自動で振り分けて保存するフローを構築できます。手作業での管理が完全に不要になり、ファイルが常に整理された状態で保管される運用が自動的に維持されます。
例4:複数のエクセルファイルのデータを一つに統合
各部署や各拠点が個別に管理しているエクセルファイルのデータを、Power Automate Desktopが順番に開いて読み取り、一つの統合用エクセルファイルにまとめて転記するフローを構築できます。ファイルの開閉とコピー&ペーストの手作業が完全に不要になり、転記ミスや貼り付け先の間違いを完全に防止する効果が得られます。
クラウド版Power Automateとの違いと使い分け
マイクロソフトのPower Automateには、デスクトップ版とクラウド版の2種類があり、それぞれ得意な領域が異なります。
デスクトップ版 ─ パソコン上のアプリ操作を自動化
Power Automate Desktopは、パソコン上で動作するアプリケーション(エクセル、業務システム、ウェブブラウザなど)を画面操作の単位で自動化するツールです。「人間がパソコンの画面を操作して行っている作業」の自動化に最も力を発揮します。
クラウド版 ─ ウェブサービス間のデータ連携を自動化
クラウド版のPower Automateは、メールの受信をきっかけにデータをSharePointに保存する、フォームの回答を受け取ってTeamsに通知するなど、ウェブサービス間のデータの受け渡しと処理を自動化するツールです。画面の操作ではなく、サービス同士の接続と処理の自動連携が得意な領域です。
実務では、デスクトップ版とクラウド版を組み合わせて使うことで、パソコン上の操作とウェブサービスの連携の両方を一つのワークフローとして自動化することも可能です。たとえば「クラウド版でメールの受信をトリガーにして、デスクトップ版のフローを起動し、添付ファイルを業務システムに自動入力する」といった組み合わせで、パソコン上のローカルな操作とクラウドサービスの処理を横断的に連携させた、高度な業務自動化のワークフローを構築することも可能です。
Power Automate Desktopの運用で注意すべきポイント
画面の構成が変わるとフローが動かなくなる場合がある
Power Automate Desktopは画面上のボタンやテキストの位置を認識して操作を実行するため、ウェブサイトや業務システムの画面構成が変更されると、該当する操作が見つからずエラーになる場合があります。操作対象の画面が更新された場合は、該当するフローの操作部品の設定値を最新の画面に合わせて修正し、再テストを行う必要があります。
フローの実行中はパソコンを操作できない(無償版の場合)
無償版のPower Automate Desktopでは、フローの実行中にパソコンのマウスやキーボードを操作すると、自動化の処理が中断されてしまいます。フローの実行中は別の作業ができないため、フローが長時間かかる場合は、昼休みや業務終了後のタイミングを選んで実行するといった運用上の工夫が必要になります。なお、2025年11月の更新で、フローを別画面で実行するピクチャーインピクチャーモードも全ユーザーが使えるようになりました。
属人化を防ぐためにフローの内容を共有する
フローを作成した担当者だけが内容を把握している状態では、その人が異動や退職した場合に、フローの修正や保守が誰もできなくなるリスクがあります。フローの目的、操作の内容、設定の意図を簡単な説明書としてまとめておき、チーム内で共有しておくことが、フローの属人化を防ぎ、安定した業務運用を組織として長期間にわたって維持するための極めて重要な対策です。
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まとめ
Power Automate Desktopは、パソコン上の操作をプログラミングなしで自動化できるMicrosoftのRPAツールです。Excelのデータ処理、Webサイトからの情報取得、ファイル整理、業務システムへの入力、メール添付ファイルの保存など、さまざまな定型業務の効率化に活用できます。
クラウド版Power Automateとは得意分野が異なり、パソコン上のアプリ操作にはデスクトップ版、Webサービス間の連携にはクラウド版が適しています。運用時は、画面変更によるエラーへの対応や実行環境の管理、フローの共有による属人化防止が重要です。
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この記事の監修者
株式会社ネクストスケール 代表取締役




