Looker Studioの計算フィールドとは?作り方・関数・実用計算式を解説
2026年9月15日
著者:NEXT SCALE編集部
監修者:石丸真平

「Looker Studioでレポートを作っているが、標準のフィールドだけでは欲しい指標が出せない」「CVRやCPAを自動計算させたいが、計算フィールドの使い方がわからない」。GA4やGoogle広告のデータをLooker Studioで可視化する際に、こうした悩みを抱えるマーケターや分析担当者は多いのではないでしょうか。
計算フィールドとは、データソースの既存フィールドをもとに、関数や演算子を使って独自の指標やディメンションを作成できるLooker Studioの機能です。CVR(コンバージョン率)やROAS(広告費用対効果)といった独自指標の算出から、チャネル名の日本語化、特定条件でのデータ分類まで、元データにはない切り口を自由に作れます。
この記事では、計算フィールドの基本的な仕組みと2つの種類、作成手順、実務で頻出する関数と計算式、そしてエラー発生時の対処法まで、すぐに使える形で解説します。
| 確認したいポイント | 結論 | 詳細 |
| 計算フィールドで何ができるか? | 独自の指標や分類を作成できる | 四則演算で独自指標を算出、CASE文でデータを分類、REGEXP系関数でテキストを加工できます |
| 2種類の違いは? | 適用範囲が異なる | データソースの計算フィールドは全レポートで共有でき、グラフ固有の計算フィールドはそのグラフ内でのみ有効です |
| よく使う関数は? | まず10種類を押さえる | SUM、COUNT_DISTINCT、CASE、CONCAT、REGEXP_MATCH、REGEXP_REPLACE、IF、CASTなどが頻出です |
| エラーが出たらどうするか? | 3大原因を確認する | 構文エラー(全角文字の混入)、データ型の不一致、集計済み指標の再集計が主な原因です |
この記事でわかること
・計算フィールドの定義と2種類(データソース型・グラフ固有型)の違い
・計算フィールドの作成手順(3ステップ)
・実務で頻出する関数の一覧と使い方
・マーケターがよく使う実用計算式(CVR・CPA・チャネル分類など)
・計算フィールドのエラー原因と対処法
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Looker Studioの計算フィールドとは
計算フィールドの具体的な使い方に入る前に、この機能がどのようなもので、どんな場面で役立つのかを整理しておきましょう。
計算フィールドの定義とできること
計算フィールドとは、データソースに存在する既存のフィールド(ディメンションや指標)をもとに、関数・演算子・正規表現を使って新しいフィールドを作成できるLooker Studioの機能です。作成した計算フィールドは、通常のフィールドと同じようにグラフやフィルタで利用できます。
計算フィールドでできることは、大きく3つに分類されます。
独自指標の算出:四則演算で既存の指標を組み合わせ、CVR(コンバージョン率)、CPA(顧客獲得単価)、ROAS(広告費用対効果)などの独自指標を算出できます。
データの分類・ラベル変換:CASE文を使って、データを任意のカテゴリに分類できます。たとえば、GA4のデバイスカテゴリの英語表記(desktop、mobile、tablet)を日本語(PC、スマホ、タブレット)に変換する用途で使えます。
テキストの加工・抽出:REGEXP系の関数を使って、URLからディレクトリ部分だけを抽出したり、キャンペーン名から特定のパラメータを取り出したりといったテキスト操作が可能です。
計算式は一度作れば、データが更新されるたびに自動で再計算されます。スプレッドシートでの手作業の集計をやめて、常に最新の数字が並ぶレポートを運用できる点が、計算フィールドの大きなメリットです。
2種類の計算フィールドの違い
Looker Studioの計算フィールドには、「データソースの計算フィールド」と「グラフ固有の計算フィールド」の2種類があります。
| 比較項目 | データソースの計算フィールド | グラフ固有の計算フィールド |
| 適用範囲 | 同じデータソースを使うすべてのレポートで利用可能 | 作成したグラフ内でのみ有効 |
| 作成場所 | データソースの編集画面 | グラフの設定パネル(指標を追加→フィールドを作成) |
| 統合データでの利用 | 使用不可 | 使用可能 |
| 適したケース | 複数レポートで共通利用する指標 | 特定のグラフだけで使う指標、統合データの計算 |
基本的には、繰り返し使う指標はデータソースの計算フィールドとして作成し、特定のグラフでしか使わない指標や統合データでの計算はグラフ固有の計算フィールドを使う、という使い分けが実務的です。
計算フィールドの作成手順|3ステップ
計算フィールドの作成は、慣れれば数分で完了します。ここではデータソースの計算フィールドを作成する手順を3ステップで解説します。
ステップ1:データソースの編集画面を開く
Looker Studioのレポート編集画面で、メニューバーの「リソース」から「追加済みのデータソースの管理」を選択し、対象のデータソースの「編集」ボタンをクリックします。データソースのフィールド一覧が表示されます。
ステップ2:フィールドを追加し計算式を入力する
フィールド一覧の右上にある「フィールドを追加」をクリックすると、計算式の入力エリアが表示されます。ここで以下の操作を行います。
まず、フィールド名に任意の名前(例:「CVR」「新規ユーザー率」)を入力します。次に、計算式の入力欄に数式を入力します。数式の入力方法は2つあり、直接キーボードで入力する方法と、左側の「使用可能なフィールド」リストからフィールドをクリックして挿入する方法があります。
たとえば、CVRを計算する場合は「コンバージョン / セッション」のように入力します。入力後、数式が正しければ緑色のチェックマークが表示されます。
ステップ3:データ型と表示形式を設定して保存する
計算式が正しく入力できたら、フィールドのデータ型と表示形式を設定します。数値の場合は「数値」「パーセント」「通貨」などから選択できます。CVRであれば「パーセント」を選択すると、レポート上で「0.05」ではなく「5%」のように表示されます。
設定が完了したら「保存」をクリックします。作成した計算フィールドは、データソースのフィールド一覧に「fx」マーク付きで表示され、通常のフィールドと同じようにグラフに追加できます。
グラフ固有の計算フィールドを作成する場合は、グラフを選択した状態で、プロパティパネルの「指標を追加」または「ディメンションを追加」から「フィールドを作成」を選択します。統合データ(ブレンドデータ)を使用している場合は、この方法でのみ計算フィールドを作成できます。
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実務で頻出する関数と計算式一覧
Looker Studioには約80種類の関数が用意されていますが、マーケティングレポートで頻繁に使うのは10種類程度です。ここでは、実務で出番の多い関数をカテゴリ別に紹介します。
四則演算と算術関数
最も基本的な計算は四則演算(+、-、*、/)です。既存の指標同士を割り算するだけで、CVRやCTR(クリック率)などの比率指標を作成できます。
CVR(コンバージョン率):コンバージョン / セッション
CPA(顧客獲得単価):費用 / コンバージョン
ROAS(広告費用対効果):売上 / 費用
CTR(クリック率):クリック数 / 表示回数
新規ユーザー率:新規ユーザー数 / アクティブユーザー数
割り算でゼロ除算エラーを防ぐには、分母がゼロの場合の処理を追加します。例:CASE WHEN セッション = 0 THEN 0 ELSE コンバージョン / セッション END
CASE文による条件分岐
CASE文は、条件に応じて異なる値を返す関数で、Excelの IF 関数に近い使い方ができます。データの分類やラベルの変換に頻繁に使われます。
デバイスカテゴリの日本語化:
CASE WHEN デバイス カテゴリ = “desktop” THEN “PC” WHEN デバイス カテゴリ = “mobile” THEN “スマホ” WHEN デバイス カテゴリ = “tablet” THEN “タブレット” ELSE “その他” END
セッション数によるユーザーランク分類:
CASE WHEN セッション >= 10 THEN “ヘビーユーザー” WHEN セッション >= 3 THEN “ミドルユーザー” ELSE “ライトユーザー” END
CASE文では、条件が上から順に評価され、最初に一致した条件の値が返されます。条件の順番に注意しましょう。
REGEXP系関数によるテキスト操作
正規表現を使ったテキスト操作関数として、REGEXP_MATCH、REGEXP_EXTRACT、REGEXP_REPLACEの3つがよく使われます。
REGEXP_MATCH:テキストが正規表現パターンに一致するかどうかを判定します。CASE文と組み合わせて、URLパターンによるページカテゴリの分類などに使います。
URLパターンによるコンテンツ分類の例:
CASE WHEN REGEXP_MATCH(ページ パス, “.*/blog/.*”) THEN “ブログ” WHEN REGEXP_MATCH(ページ パス, “.*/product/.*”) THEN “製品ページ” ELSE “その他” END
REGEXP_EXTRACT:テキストから正規表現パターンに一致する部分を抽出します。URLからドメイン部分やディレクトリ部分を取り出す際に使います。
REGEXP_REPLACE:テキスト内の正規表現パターンに一致する部分を別の文字列に置換します。不要なパラメータを除去してURLを正規化する場合などに使います。
Looker Studioで使用できる関数の全一覧は、Googleの公式ヘルプページで確認できます(参考:Looker Studio 関数リスト)。
その他のよく使う関数
CONCAT:複数のテキストフィールドを結合します。「年」と「月」のフィールドを結合して「2026年9月」のような表示を作る場合に使います。
CAST:データ型を変換します。テキスト型の数値を数値型に変換する場合などに使います。例:CAST(フィールド名 AS NUMBER)
SUM / COUNT_DISTINCT:SUMは合計値の算出、COUNT_DISTINCTはユニーク数のカウントに使います。グラフ固有の計算フィールドで集計関数を指定する際に使用します。
計算フィールドのエラー原因と対処法
計算フィールドを作成していると、エラーが発生して保存できないケースがあります。ここでは、よくあるエラーの原因と対処法を解説します。
エラー1:構文エラー(全角文字・引用符の混入)
最も多いのが、計算式に全角スペースや全角の引用符が混入しているケースです。Looker Studioの計算式はすべて半角で記述する必要があります。
対処法:計算式を全選択して削除し、半角入力モードで書き直します。テキストエディタ(メモ帳など)に貼り付けて全角文字が混入していないかチェックする方法も有効です。
エラー2:データ型の不一致
数値型のフィールドとテキスト型のフィールドを演算しようとすると、データ型の不一致エラーが発生します。たとえば、テキスト型として保存されている数値フィールドに対して四則演算を行おうとするとエラーになります。
対処法:CAST関数を使って明示的にデータ型を変換します。例:CAST(テキスト型のフィールド AS NUMBER)
エラー3:集計済み指標の再集計
「集計済みの指標と未集計のフィールドを混在させている」というエラーは、計算フィールドでよくある問題です。たとえば、SUM(クリック数) / 表示回数 のように、集計済みの指標(SUM関数で囲んだもの)と未集計の指標を1つの式に混在させるとエラーになります。
対処法:すべてのフィールドの集計レベルを揃えます。両方をSUMで囲む(SUM(クリック数) / SUM(表示回数))か、両方ともSUMを付けない(クリック数 / 表示回数)のいずれかに統一してください。
エラー4:統合データで計算フィールドが使えない
データソースの計算フィールドは、統合データ(ブレンドデータ)では使用できないという制約があります。複数のデータソースを統合したグラフで計算フィールドを使いたい場合は、グラフ固有の計算フィールドとして作成する必要があります。
対処法:グラフを選択し、プロパティパネルの「指標を追加」から「フィールドを作成」を選択して、グラフ固有の計算フィールドとして作成します。
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計算フィールドを活用するための5つのポイント
計算フィールドを効果的に活用するために、実務で押さえておくべきポイントを紹介します。
ポイント1:命名規則を統一して管理しやすくする
計算フィールドが増えてくると、どれが何を計算しているかわからなくなります。命名規則を決めて統一することで、管理がしやすくなります。たとえば「[計算] CVR」「[計算] チャネル分類」のように接頭辞を付ける方法が実用的です。
ポイント2:ゼロ除算への対策を忘れない
割り算を含む計算フィールドでは、分母がゼロになる場合の処理を必ず入れましょう。分母がゼロのままだと、レポート上で「null」や「エラー」と表示されてしまいます。CASE WHEN 分母 = 0 THEN 0 ELSE 分子 / 分母 END のパターンを標準化しておくと便利です。
ポイント3:複雑な式は段階的に組み立てる
長くて複雑な計算式をいきなり完成形で書こうとすると、エラーの原因特定が難しくなります。まず一部分だけを別の計算フィールドとして作成し、動作確認してから組み合わせるという段階的なアプローチが効率的です。
ポイント4:テンプレート化して再利用する
一度作成した計算フィールドの式は、テキストファイルやドキュメントに記録しておき、新しいレポートで再利用できるようにしましょう。チーム内で共有すれば、全員が同じ定義の指標を使ってレポートを作成でき、指標のブレを防げます。
ポイント5:公式ヘルプと実例を参照する習慣をつける
Looker Studioの関数は定期的に追加・変更されるため、Googleの公式ヘルプページを参照する習慣をつけておくと安心です。エラーが解消しない場合も、公式ドキュメントの構文例と自分の式を見比べることで、問題箇所を特定しやすくなります。
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まとめ
Looker Studioの計算フィールドは、データソースの既存フィールドをもとに独自の指標やディメンションを作成できる機能であり、レポートの表現力を大きく広げるものです。
作成手順は、データソースの編集画面を開き、フィールドを追加して計算式を入力し、データ型と表示形式を設定して保存するという3ステップで完了します。実務で頻出する関数は、四則演算、CASE文、REGEXP系関数、CONCAT、CASTなど10種類程度を押さえておけば、マーケティングレポートのほとんどのニーズに対応できます。
エラーが発生した場合は、全角文字の混入、データ型の不一致、集計済み指標の再集計の3つの原因を確認することで、多くの問題を解決できます。
本記事で紹介した計算式は、コピーしてそのまま使えるものが中心です。まずは基本的な四則演算から始めて、CASE文やREGEXP系関数の活用へとステップアップしていくことで、Looker Studioのレポート作成スキルを着実に向上させてください。
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この記事の監修者
株式会社ネクストスケール 代表取締役




