LLM一覧【2026年最新】主要モデルの特徴・違い・選び方を比較して解説

LLM一覧【2026年最新】主要モデルの特徴・違い・選び方を比較して解説

「LLM(大規模言語モデル)にはどんな種類があるのか一覧で把握したい」「GPT、Claude、Gemini、DeepSeekなど名前は聞くが、それぞれの違いや自社に合うモデルが分からない」と感じている企業の担当者や開発者の方は多いのではないでしょうか。

LLMは、GPTやClaude、GeminiといったAPIで利用するクローズドモデルに加え、DeepSeekやQwen、Gemmaなどのオープンウェイトモデル、さらに日本語に特化した国産モデルまで、選択肢が急速に増えています。モデルごとに性能、コスト、提供形態、ライセンス、日本語性能が異なるため、目的に合ったモデルを選ぶことが活用の成否を左右します。

本記事では、2026年9月時点の主要なLLMを提供形態別に一覧で整理し、それぞれの特徴と違い、比較の際に見るべき指標、用途別の選び方、導入時の注意点までをまとめて解説します。LLMの全体像を短時間で把握したい方は、ぜひ最後までお読みください。

確認したいポイント結論詳細
LLMにはどんな種類がある?クローズド型・オープンウェイト型・国産の3系統API提供のGPT・Claude・Gemini、公開モデルのDeepSeek・Qwen・Gemma、日本語特化のllm-jp・PLaMoなどに分けて整理できます。
主要なクローズドモデルの違いは?得意領域と価格帯がモデルごとに異なるGPTは汎用性と実行力、Claudeは長文処理と正確さ、Geminiは速度とGoogle連携、Grokは発想支援に強みがあります。
オープンウェイトモデルの注意点は?ライセンスをモデル単位で確認するMITやApache 2.0なら商用利用しやすい一方、独自ライセンスのモデルは条件確認が必要です。運用にはGPU環境も要ります。
自社に合うLLMはどう選ぶ?用途・コスト・データ要件で絞り実測する文書作成、開発、機密データ処理など用途別に候補を絞り、自社データで検証してから本格導入するのが確実です。

この記事でわかること

  • LLM(大規模言語モデル)の基本と、クローズド型・オープンウェイト型の違い
  • GPT・Claude・Gemini・Grokなど主要クローズドモデルの最新ラインナップと特徴
  • DeepSeek・Qwen・Gemma・Mistralなどオープンウェイトモデルの一覧とライセンスの見方
  • llm-jp・PLaMo・tsuzumiなど国産LLMの一覧と、日本語性能を重視する場合の考え方
  • 用途別のLLMの選び方と、導入前に押さえておきたい注意点・進め方
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目次

LLMとは?一覧を見る前に知っておきたい基礎知識

LLMの一覧を見ても、前提となる知識がないと「どれが自社に向いているか」を判断できません。ここでは、LLMの定義、提供形態による分類、比較の際に見るべき指標の3点を整理します。

LLM(大規模言語モデル)の定義と生成AIとの関係

LLM(Large Language Model:大規模言語モデル)とは、膨大なテキストデータを学習し、文脈を理解して自然な文章を生成・要約・翻訳・分類できるAIモデルのことです。ChatGPTやClaude、Geminiといった生成AIサービスの中核には、このLLMが使われています。

生成AIは文章・画像・音声などを生み出すAI全般を指す言葉であり、LLMはそのうち言語を扱うモデルです。近年は、テキストに加えて画像や音声、動画も扱えるマルチモーダル対応が上位モデルの標準になりつつあり、LLMという言葉が指す範囲も広がっています。

企業の業務活用では、問い合わせ対応、文書作成、社内ナレッジ検索、コード生成など、言語に関わる業務が中心となるため、どのLLMを採用するかがシステムの精度・速度・コストを決める最も重要な判断になります。

クローズド(API提供)型とオープンウェイト型の違い

LLMは提供形態によって大きく2つに分けられます。1つ目はクローズド型で、OpenAIのGPTやAnthropicのClaude、GoogleのGeminiのように、モデルの内部は非公開で、APIやWebサービスを通じて利用する形態です。最新かつ高性能なモデルをすぐに使い始められる一方、データはインターネット経由で外部に送られ、利用量に応じた従量課金が基本になります。

2つ目はオープンウェイト型で、DeepSeekやQwen、Gemma、Mistralのように、モデルの重み(学習済みパラメータ)が公開され、自社のサーバーやクラウドのGPU環境で動かせる形態です。データを外部に出さずに処理でき、カスタマイズの自由度も高い反面、GPUなどの計算資源と運用体制が必要になります。

近年は、機密データはオープンウェイトモデルをローカルで処理し、高度な推論はクラウドAPIに任せるハイブリッド構成が企業導入の定石になっています。一覧を見る際も、この2つの系統を意識すると整理しやすくなります。

LLMを比較する際に見るべき主な指標

LLMを比較する際は、ベンチマークのスコアだけでなく、複数の指標をあわせて確認する必要があります。主な指標は、性能(推論力・コード生成力・日本語性能)、コンテキスト長(一度に扱える情報量)、料金、応答速度、対応モダリティ、ライセンスの6つです。

コンテキスト長は、契約書や仕様書などの長い文書を丸ごと読み込ませる用途で重要になります。料金は入力と出力で単価が異なり、モデルによって数倍から数十倍の差があります。オープンウェイトモデルでは、商用利用の可否を左右するライセンスの確認が欠かせません。

また、日本語性能は英語のベンチマークだけでは判断できないため、日本語タスクで評価するNejumi LLM LeaderboardやELYZA-tasks-100などの指標を参考にしつつ、最終的には自社の実際のデータで検証することが重要です。

主要LLM一覧【クローズド(API提供)モデル】

まずは、APIやチャットサービスを通じて利用するクローズド型の主要LLMを一覧で紹介します。2026年に入ってからも各社が相次いで新モデルを投入しており、OpenAI、Anthropic、Google、xAIの4社が中心となって性能を競い合っています。

提供元主なモデル(2026年9月時点)主な特徴
OpenAIGPT-5.5 / GPT-5.5 Pro / GPT-5.5 Instant、gpt-oss(オープンウェイト)汎用性が高く、推論・コード生成・エージェント的な作業実行まで幅広く対応。API連携の実績が豊富
AnthropicClaude Fable 5.1 / Claude Opus 5 / Claude Sonnet 5 / Claude Haiku 4.5長文の読解・整理と出力の正確さに定評。コーディングや文書業務、エージェント用途で採用が多い
GoogleGemini 3.5 Pro / Gemini 3.5 Flash、Gemma 4(オープンウェイト)マルチモーダルと処理速度に強く、Google WorkspaceやGoogle Cloudとの連携が容易
xAIGrok 4シリーズ会話のテンポと発想支援に寄った設計。X(旧Twitter)の情報との連携が特徴

OpenAI:GPTシリーズ

OpenAIのGPTシリーズは、生成AIブームの火付け役となったChatGPTの基盤モデルであり、「迷ったらまず候補に入る」汎用モデルとして最も広く使われています。2026年4月に発表されたGPT-5.5は、文章生成だけでなく推論やコード生成、複数の手順を自律的に進めるエージェント的な作業に対応し、5月にはChatGPTの標準モデルとしてGPT-5.5 Instantも提供されました。

同じGPTでも、高精度版のProや高速・低コストの軽量モデルなど複数の選択肢があり、速度・コスト・精度の優先順位に応じて使い分けることが前提です。また、OpenAIはgpt-ossというオープンウェイトモデルも公開しており、自社環境で動かしたい企業にも選択肢を提供しています。

API経由で既存システムに組み込みやすく、開発事例やドキュメントが豊富なため、社内ツールの裏側のエンジンとして採用しやすい点が強みです。

Anthropic:Claudeシリーズ

AnthropicのClaudeシリーズは、長い文書を読ませて整理する用途や、出力の正確さが求められる業務で選ばれやすいLLMです。規程や契約書、仕様書、議事録など文書量の多い業務で、抜け漏れの少ない要約や落ち着いた文章表現に強みがあり、金融や法務、研究など厳密さが求められる分野でも採用が進んでいます。

2026年9月時点のラインナップは、最上位のClaude Fable 5.1、高性能なClaude Opus 5、バランス型のClaude Sonnet 5、軽量・高速なClaude Haiku 4.5で構成されています。Fable 5.1は一般提供されている中で最も高性能なモデルで、同じ基盤を持つMythos 5.1は承認された組織のみが利用できる形で提供されています。

コーディング支援ツールのClaude Codeをはじめ、長時間の自律的な作業をこなすエージェント用途での評価も高く、開発現場と文書業務の両方で主力として使われているモデル群です。

Google:Geminiシリーズ

GoogleのGeminiシリーズは、テキスト・画像・音声・動画をまとめて扱えるマルチモーダル性能と、処理速度の速さが特徴です。2026年5月のGoogle I/Oで発表されたGemini 3.5ファミリーでは、高速・低コストのGemini 3.5 Flashが先行して提供され、高精度なGemini 3.5 Proは企業向けの限定提供を経て一般提供へ進んでいます。

Google WorkspaceやGoogle Cloud(Vertex AI)との連携が容易なため、すでにGoogleの環境を利用している企業では、既存のワークフローに自然に組み込みやすい点が評価されています。長大なコンテキストを直接読み込ませる用途にも向いています。

また、GoogleはオープンウェイトモデルとしてGemma 4も公開しており、Apache 2.0ライセンスで商用利用しやすいことから、ローカル運用の候補としても注目されています。

xAI:Grokシリーズと、その他のクローズドモデル

xAIのGrokシリーズは、会話のテンポや発想の広がりを重視した設計で、企画の切り口出しやたたき台作成など、スピード優先の探索型タスクで使われることが多いモデルです。業務利用ではログ管理やデータの取り扱いなどの管理要件を満たせるかを確認したうえで、適用範囲を決めて使うのが現実的です。

このほか、AmazonのNovaシリーズ、Cohereの RAG用途に強いCommandシリーズ、Mistral AIのAPI提供モデルなども企業向けに利用されています。特定のクラウド基盤上で完結させたい場合や、特定用途に特化したモデルが必要な場合の選択肢になります。

主要LLM一覧【オープンウェイトモデル】

次に、モデルの重みが公開され、自社環境やクラウドGPU上で動かせるオープンウェイトモデルを紹介します。2026年に入ってからは中国系企業を中心に高性能モデルの公開が相次ぎ、クローズドモデルに迫る性能を持つモデルが自社環境でも使える状況になっています。

モデル提供元 / ライセンス主な特徴
DeepSeek V4(Pro / Flash)DeepSeek / MIT推論・コード生成に強い。上位のProと軽量なFlashの2階層。商用利用の制約が少ない
Qwen3.8シリーズAlibaba / 27BはApache 2.0、最上位は独自大規模から小規模までラインナップが広く、多言語・マルチモーダルに対応
Kimi K3Moonshot AI / 独自ライセンス2.8T規模のMoEモデル。100万トークン級のコンテキストとマルチモーダル対応
GLM-5.2Z.ai(智譜)/ MIT753B規模のMoEモデル。長文脈対応で商用利用しやすい
Gemma 4Google / Apache 2.031Bクラスで単一GPUに収まる。マルチモーダル対応で日本語も安定
Muse Glimmer 30BMeta / Apache 2.0Llamaシリーズの流れをくむMetaの最新オープンモデル。画像入力に対応
Mistral Small 4 / Large 3Mistral AI / Apache 2.0ほか欧州発。MoE構造で実効的な推論コストが軽い
gpt-oss-120bOpenAI / Apache 2.080GB GPU1枚で動作可能な設計。OpenAI製のオープンモデル

海外の主要オープンウェイトモデルの特徴

DeepSeekは、推論(考える工程)を重視したモデルが多く、根拠を踏まえた回答や計算・分析、コードの修正といった論理性が求められるタスクで候補になります。2026年に公開されたDeepSeek V4は高性能なProと軽量なFlashの2階層で構成され、MITライセンスのため商用利用の障壁が低い点も特徴です。

AlibabaのQwenシリーズは、大規模モデルから小規模モデル、推論対応モデルまでラインナップの広さが最大の特徴で、用途に応じてサイズを選び、高精度が必要な処理は大きめ、大量処理は軽量モデルという役割分担を設計しやすいシリーズです。Moonshot AIのKimi K3やZ.aiのGLM-5.2も、100万トークン級の長文脈に対応した大規模モデルとして注目されています。

一方、GoogleのGemma 4、MetaのMuse Glimmer 30B、Qwen3.8-27Bといった27〜33Bクラスのモデルは、1枚のGPUで動かせる現実的な選択肢として企業の社内利用で採用が広がっています。要約・分類・抽出・一次回答といった多くの社内ユースケースは、この規模のモデルで十分に対応できます。

オープンウェイトモデルのライセンスと運用の注意点

オープンウェイトモデルを業務で使う際に最も注意すべきなのがライセンスです。MITやApache 2.0であれば商用利用・改変・再配布に制限がなく扱いやすい一方、Kimi K3やQwen3.8の最上位モデルのように独自ライセンスを採用しているものは、条項の確認と法務レビューが必要になります。

注意したいのは、同じ提供元でもモデルごとにライセンスが異なる点です。例えばQwen3.8は、27Bモデルが Apache 2.0である一方、最上位モデルは独自ライセンスで提供されています。ベンダー名でライセンスを推測せず、必ずモデル単位で最新の条文を確認しましょう。

また、1兆パラメータを超える最上位のオープンウェイトモデルは、自社のサーバーで動かすには数十枚規模のGPUが必要となり現実的ではありません。自社で運用するのは30〜120Bクラス、最上位モデルはAPIやマネージドサービス経由で使うという切り分けが、2026年時点の実務的な判断基準です。

国産LLM一覧【日本語特化モデル】

日本語での業務利用を重視する場合や、データを国内で処理したい場合には、国内の研究機関や企業が開発する国産LLMも有力な選択肢です。ここでは、研究機関・大手企業のモデルと、スタートアップ・研究グループのモデルに分けて紹介します。

モデル開発元主な特徴
llm-jp-4国立情報学研究所(LLM-jp)33Bクラスの日本語重視モデル。Apache 2.0で商用利用の制約がない
PLaMo 3Preferred Networks31Bクラスの日本語モデル。商用利用は事前登録が必要で、年商条件により別途契約
tsuzumiNTT軽量・省電力を重視した日本語モデル。オンプレミス運用や業界特化に対応
Takane富士通セキュアな環境での企業利用を想定した日本語モデル
ELYZA / Swallow / bakeneko / calmELYZA、東京科学大学ほか、rinna、サイバーエージェント海外の公開モデルを日本語で追加学習した派生モデル群。日本語性能を高めている

研究機関・大手企業が開発する国産LLM

国立情報学研究所が中心となるLLM-jpプロジェクトのllm-jp-4は、日本語を重視して開発された33Bクラスのモデルで、Apache 2.0ライセンスにより商用利用の制約がない点が特徴です。研究目的だけでなく、企業が自社環境で日本語処理を行う際の候補としても採用しやすいモデルです。

Preferred NetworksのPLaMo 3は、日本語性能の高さで知られる一方、商用利用には事前登録が必要で、利用者の年商が一定額を超える場合は別途商用ライセンスの取得が必要とされています。検証段階で使えても本番では条件が変わる典型例のため、導入前に必ずライセンスを確認しましょう。

このほか、NTTのtsuzumiは軽量・省電力を重視した設計でオンプレミス運用や業界特化に対応しており、富士通のTakaneはセキュアな環境での企業利用を想定したモデルです。いずれも日本語の業務文書や国内の商習慣を踏まえた利用を重視する企業に向いています。

スタートアップ・研究グループの日本語モデルと国の支援

ELYZA、東京科学大学の研究グループによるSwallowシリーズ、rinnaのbakenekoシリーズ、サイバーエージェントのcalmシリーズなどは、海外の公開モデルをベースに日本語データで追加学習を行い、日本語性能を高めた派生モデルです。ベースモデルのライセンスを引き継ぐものが多く、比較的扱いやすい点が特徴です。

こうした国産モデルの開発を後押ししているのが、経済産業省とNEDOが2024年2月から進める「GENIAC」プロジェクトです。基盤モデル開発に必要な計算資源の提供支援やコミュニティ運営を通じて国内の生成AI開発力の強化を図っており、2026年6月には第4期として16件のAI基盤モデル開発テーマが採択されています(出典:経済産業省「GENIAC」)。

国産LLMは、海外の最上位モデルと比べると汎用的な性能では差がある場合もありますが、日本語の自然さ、国内でのデータ処理、特定業務への特化といった観点で強みがあります。日本語性能については定説がなく、モデルの入れ替わりも速いため、公開ベンチマークだけで決めず、自社の業務データで実測して判断することが重要です。

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用途別に見るLLMの選び方

LLMの一覧を把握したうえで重要なのは、自社の用途に合ったモデルを選ぶことです。ここでは、文書作成・要約・社内検索、コード生成・開発、機密データの処理、大量処理・コスト重視の4つの用途に分けて、選び方の考え方を解説します。

文書作成・要約・社内ナレッジ検索に使う場合

メールや報告書の作成、長文の要約、社内規定の検索といった用途では、日本語の自然さと、長い文書を正確に扱えるコンテキスト長が重要になります。ClaudeシリーズやGPT-5.5、Gemini 3.5 Proといったクローズドモデルは、いずれもこの用途で高い評価を得ています。

社内文書を参照して回答するRAG(検索拡張生成)を構築する場合は、引用の正確さや長文脈への対応力を確認しましょう。日本語の文書が中心であれば、国産モデルや日本語で追加学習した派生モデルも候補になります。

この用途は多くの企業で最初に取り組む領域であり、効果が測りやすいため、まず汎用的なクローズドモデルで試し、必要に応じてRAGや国産モデルへ広げる進め方が現実的です。

コード生成・システム開発に使う場合

コード生成やレビュー、テスト作成、レガシーシステムの移行といった開発用途では、コード生成のベンチマーク性能と、複数ファイルにまたがる長い作業を安定して進められるかが判断基準になります。GPT-5.5やClaude Opus 5・Fable 5.1は、こうしたエージェント的な開発支援で高い評価を得ています。

コードを外部のクラウドに送りたくない場合は、DeepSeek V4やQwenのコード特化モデルなど、オープンウェイトモデルを自社GPU環境で動かす構成が現実的です。開発チームの規模や既存の開発環境との連携も含めて検討しましょう。

機密データを扱う・ローカルで運用したい場合

金融機関の取引データや医療機関の患者情報、法務・知財関連の機密文書など、データを外部に出せない要件がある場合は、オープンウェイトモデルのローカル運用が候補になります。GemmaやQwen、llm-jp-4など27〜33Bクラスのモデルなら、1枚のGPUで社内の多くのユースケースに対応できます。

ただし、クローズドモデルでも企業向け契約によってデータを学習に使わない、ログ保存を制御するといった対応が可能なケースが増えています。規制上「物理的に自社管理下で処理する」必要があるのか、契約上の保証で足りるのかを整理したうえで、機密情報はローカル、高度な推論はクラウドAPIというハイブリッド構成を検討するのが定石です。

大量処理やコストを重視する場合

問い合わせ対応の一次回答や大量の文書の分類・要約など、処理量が多い用途では、軽量モデルの活用と、タスクに応じたモデルの使い分けがコストを左右します。Gemini 3.5 FlashやClaude Haiku 4.5、GPTの軽量版など、各社の高速・低コストモデルは、大量処理向けに設計されています。

月に数千万トークンを超える長期運用では、クラウドAPIの従量課金よりも、オープンウェイトモデルを自社または専用クラウドGPUで運用したほうが数年単位の総コストで有利になることもあります。ただし24時間フル稼働でなければクラウドのほうが安い場合も多いため、利用量の見込みをもとに3〜5年のコストで比較することが大切です。

LLM導入時の注意点と選定の進め方

最後に、LLMを実際に選定・導入する際の注意点と進め方を解説します。ベンチマークだけで決めない、セキュリティとライセンスを確認する、小さく試して広げるという3つのポイントを押さえることで、選定の失敗を避けやすくなります。

ベンチマークの順位だけで決めず自社データで実測する

LLMの性能比較サイトやベンチマークは候補を絞るうえで役立ちますが、スコアが高いモデルがすべての用途で最適とは限りません。評価に使う指標や測定方法によって順位は変わり、モデルの入れ替わりも四半期単位で起きています。

そのため、自社の業務で実際に使う質問や文書を数百件程度集めた評価セットを作り、候補となる2〜3モデルで実測して比較することをおすすめします。この評価セットは一度作れば次のモデル更新時にも再利用できるため、継続的にモデルを見直すための資産になります。

セキュリティ・データの取り扱い・ライセンスを確認する

クローズドモデルを利用する場合は、入力したデータが学習に使われないか、ログがどこにどれだけ保存されるか、国内のデータセンターで処理できるかを契約内容で確認しましょう。個人が無断で無料サービスに社内情報を入力する状態を防ぐため、利用ルールの整備と教育も欠かせません。

オープンウェイトモデルを利用する場合は、前述のとおりライセンスをモデル単位で確認し、独自ライセンスのものは法務レビューを通す必要があります。また、推論基盤のセキュリティパッチ適用やモデル更新の方針など、運用面の設計もあわせて検討しましょう。

小規模な検証から始めて段階的に広げる

モデルの候補が絞れたら、いきなり全社展開するのではなく、1つの業務や1つの部門で小規模に検証(PoC)を行うことをおすすめします。実際の業務データで精度や使い勝手、コストを確認し、プロンプトの工夫や参照データの整備を重ねながら、効果が出る形に調整します。

LLMは選んで終わりではなく、業務に組み込み、社員が使いこなせるようにしてはじめて効果が出ます。生成AI研修による人材育成や、RAG・業務システムへの組み込み開発など、モデル選定と並行して活用の仕組みづくりを進めることが、導入を成功させる条件です。

LLMを実際にどのような業務で活用できるかを具体的に知りたい方は、業務効率化アイデア55選|部門別30+AI15+明日から3つで成果を出す方法もあわせて参考にしてください。

モデル選定から、RAGや業務システムへのLLM組み込み開発、社員向けの生成AI研修まで、ネクストスケールは企業のLLM活用を一気通貫で支援しています。支援内容の詳細はサービス資料をご覧ください。
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まとめ:LLM一覧を参考に自社の用途に合ったモデルを選ぼう

本記事では、LLMの基礎知識と分類、GPT・Claude・Gemini・Grokなどのクローズドモデル、DeepSeek・Qwen・Gemma・Mistralなどのオープンウェイトモデル、llm-jp・PLaMo・tsuzumiなどの国産モデルを一覧で整理し、用途別の選び方と導入時の注意点を解説しました。

2026年時点のLLMは、クローズドモデルの高性能化、オープンウェイトモデルの急速な追い上げ、国産モデルの存在感の高まりという3つの流れの中で、選択肢が大きく広がっています。一方で、モデルごとに性能・コスト・ライセンス・日本語性能が異なるため、目的を明確にしたうえで選ぶことが欠かせません。

成功のポイントは、用途・コスト・データ要件で候補を絞り、自社データで実測し、小さく検証してから段階的に広げることです。本記事の一覧を参考に、自社の業務に合ったLLMの選定を進めてみてください。

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この記事の監修者

石丸真平

石丸真平

株式会社ネクストスケール 代表取締役

株式会社ネクストスケールの代表。「AI時代に勝てる企業組織を共に創る」を掲げ、法人向けの生成AI研修とAX(AIによる企業変革)の伴走支援を手がける。経営課題の整理からAI活用領域の設計、ツール選定、業務への組み込み、社内定着、ROI測定までを一気通貫で支援。単なる効率化ではなく、経営戦略としてAIを活かす視点での支援を得意とする。Xでは「本当に仕事で使えるAI」をテーマに、実務で使えるノウハウを発信している。
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