要件定義書のExcelサンプル シート構成と列設計、機能一覧の記入例を解説
2026年9月14日
著者:NEXT SCALE編集部
監修者:石丸真平

テンプレートをダウンロードしたものの、空欄のセルを前に手が止まる。列見出しはあるが、そこに何をどの粒度で書けばいいのかが分からない。要件定義書をExcelで作ろうとするとき、多くの方がここでつまずきます。
必要なのは空のフォーマットではなく、実際に書き込まれた状態の見本です。1行でも埋まった例があれば、自社の内容に置き換えるだけで進められます。
また、Excelには表形式ならではの利点があります。機能にIDを振って優先度で並べ替える、抜けをフィルタで探す、進捗を列で管理する。これらはWordではできません。
本記事では、Excelで作る要件定義書のシート構成、シートごとの列設計と記入例、書くときのコツ、そしてExcelの限界と切り替えの判断基準までを順に解説します。記入例はそのまま自社の内容に置き換えて使える形で示します。
| 確認したいポイント | 結論 | 詳細 |
|---|---|---|
| Excelで作るべき場面は? | 機能数が多く一覧管理したいとき | 機能ID・優先度・進捗を列で追える。背景の説明はWordのほうが向く。 |
| シートは何枚必要? | 最低6枚、案件に応じて追加 | 表紙、業務要件、機能一覧、非機能要件、項目定義、課題管理が基本構成。 |
| どの粒度で書けばいい? | 1行1要件、テストで判定できる単位 | 複数の要件を1行にまとめると、実装済みかどうかを判定できなくなる。 |
| Excelの限界はどこ? | 機能150行超、変更履歴が追えないとき | 版が乱立して最新がどれか分からなくなった時点で、管理方法を切り替える。 |
この記事でわかること
- ExcelとWordの使い分けの基準と、Excelが向いている場面
- 要件定義書に必要な6シートの構成と、案件に応じて追加するシート
- シートごとの列設計と、そのまま置き換えて使える記入例
- IDの振り方や優先度の付け方など、書くときの5つのコツ
- 入力規則やフィルタを使った運用の工夫と、Excelから切り替える判断基準
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要件定義書をExcelで作るのが向いている場面
シート構成の話に入る前に、そもそもExcelが適しているかを確認しておきます。形式の選択を誤ると、作業も管理も苦しくなります。
ここではExcelが得意なこと、Wordのほうが向く場面、そして使い分けの基準を整理します。
Excelが得意なのは一覧管理と絞り込み
Excelの強みは、同じ構造の情報を大量に並べて管理できる点にあります。機能を1行ずつ登録し、IDを振り、優先度で並べ替え、担当者でフィルタをかけられます。
開発が始まった後も、実装状況やテスト結果の列を足せば、そのまま進捗管理表として使えます。要件と実装の対応が追える状態になります。
機能が30個を超えるあたりから、Excelの優位性がはっきりしてきます。文章で並べると、後から特定の機能を探すのに時間がかかります。
Wordのほうが向くのは背景と目的の説明
一方で、なぜこのシステムが必要なのか、現状の何が問題なのかといった経緯は、文章で順に説明したほうが伝わります。
社内の稟議資料としてそのまま回す場合も、Wordのほうが読みやすくなります。決裁者が求めているのは機能の一覧ではなく、投資の理由だからです。
実務では、概要をWordで書き、機能一覧をExcelで管理する2ファイル構成がよく使われます。どちらか一方に無理をさせる必要はありません。
使い分けの基準
判断に迷う場合は、次の観点で選びます。
| 状況 | 向いている形式 | 理由 |
|---|---|---|
| 機能が30個以上ある | Excel | ID管理と並べ替え、絞り込みができる |
| 社内稟議に使う | Word | 背景と投資理由を文章で示せる |
| 開発後も進捗を追いたい | Excel | 列を足して管理表として継続利用できる |
| 画面イメージを共有したい | スライド | 図の配置と説明を並べやすい |
| 複数人で同時に編集する | スプレッドシート | コメント機能と同時編集が使える |
Excelで作る要件定義書のシート構成
すべてを1シートに詰め込むと、列数が増えすぎて読めなくなります。目的ごとにシートを分けるのが基本です。
ここでは最低限そろえるシートと、案件に応じて追加するシートを整理します。
最低限そろえる6つのシート
どんな案件でも共通して必要になるのは、次の6つです。
- 表紙・改訂履歴:文書名、版数、作成者、変更の記録
- 業務要件:導入後にありたい業務の状態
- 機能一覧:システムが備える機能をID付きで並べる
- 非機能要件:性能・可用性・セキュリティなどの条件
- データ項目定義:扱うデータの項目、型、制約
- 課題・確認事項:未決事項と、誰にいつまでに確認するか
このうち見落とされやすいのが課題・確認事項シートです。決まっていないことを空欄のまま放置すると、誰も気づかないまま開発に進みます。未決を可視化する場所を必ず作ってください。
案件に応じて追加するシート
扱う内容によって、次のシートを追加します。すべてを用意する必要はありません。
画面のあるシステムなら画面一覧と画面遷移。外部システムと接続するならインターフェース一覧。帳票を出力するなら帳票一覧。権限の区分が複雑なら権限マトリクスを用意します。
使わないシートは削除してください。空のシートが残っていると、決まっていないのか対象外なのかが判別できず、レビューのたびに確認が発生します。
シート構成の一覧
整理すると次のようになります。左から順に並べると読み進めやすくなります。
| シート名 | 記載する内容 | 必須 |
|---|---|---|
| 表紙・改訂履歴 | 文書名、版数、作成者、変更履歴 | 必須 |
| 業務要件 | 導入後の業務の状態、対象範囲と対象外 | 必須 |
| 機能一覧 | 機能ID、機能名、入出力、条件、優先度 | 必須 |
| 画面一覧 | 画面ID、画面名、表示項目、遷移先 | 画面がある場合 |
| 非機能要件 | 性能、可用性、セキュリティ、運用の条件 | 必須 |
| データ項目定義 | 項目名、型、桁数、必須有無、初期値 | 必須 |
| インターフェース一覧 | 連携先、方式、データ形式、頻度 | 外部連携がある場合 |
| 課題・確認事項 | 未決事項、担当、期限、状態 | 必須 |
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シートごとの列設計と記入例
ここからが本題です。シートごとに、どの列を用意し、そこに何をどの粒度で書くのかを記入例つきで示します。
題材は「紙とExcelで回している受発注業務をシステム化する」という設定です。中小企業で最も相談の多いケースにあたるため、そのまま自社の内容に置き換えやすい形になっています。
表紙・改訂履歴シート
表紙には文書名、対象システム、版数、作成日、作成者、承認者を置きます。その下に改訂履歴の表を作ります。
| 版数 | 日付 | 変更内容 | 変更理由 | 変更者 |
|---|---|---|---|---|
| 1.0 | 2026/07/01 | 初版作成 | — | 山田 |
| 1.1 | 2026/07/15 | FN-012を追加 | 在庫連携の要望が追加されたため | 山田 |
| 1.2 | 2026/07/28 | NF-001の目標値を3秒→5秒に変更 | 現行の実測値をもとに再設定 | 佐藤 |
変更理由の列を必ず設けてください。何を変えたかだけでは、後から見たときに戻してよい変更かを判断できません。
業務要件シート
導入後に業務をどういう状態にしたいかを書きます。機能の話ではなく、業務としてどう変わるかの記述です。
| ID | 業務要件 | 現状の課題 | 優先度 |
|---|---|---|---|
| RQ-001 | 受注情報を入力すると、その日のうちに承認が完了している状態 | 紙の回覧で承認まで平均2日かかっている | MUST |
| RQ-002 | 担当者以外でも受注状況を確認できる状態 | 担当者のExcelにしか情報がなく、不在時に回答できない | MUST |
| RQ-003 | 月次の受注実績を集計作業なしで確認できる状態 | 毎月末に3時間かけて手作業で集計している | WANT |
現状の課題の列に数字を入れてください。「時間がかかる」ではなく「平均2日」と書くと、導入後の効果を測る基準になります。
機能一覧シート
要件定義書の中心になるシートです。業務要件を実現する機能を1行ずつ登録します。
| 機能ID | 機能名 | 入力 | 出力 | 条件・備考 | 優先度 | 関連要件 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| FN-001 | 受注登録 | 取引先、商品、数量、納期 | 受注番号 | 納期は当日以降のみ選択可 | MUST | RQ-001 |
| FN-002 | 受注一覧表示 | 検索条件 | 受注一覧 | 既定は登録日の新しい順。1画面50件 | MUST | RQ-002 |
| FN-003 | 承認申請 | 受注番号 | 承認依頼通知 | 登録者本人は承認できない | MUST | RQ-001 |
| FN-004 | CSV出力 | 抽出条件 | CSVファイル | 文字コードはUTF-8。最大10,000件 | WANT | RQ-003 |
関連要件の列で、業務要件のIDと結びつけてください。この対応があると、業務要件が変わったときに影響する機能を特定できます。
条件・備考の欄には、判断が分かれる箇所を書きます。「登録者本人は承認できない」のような制約は、書かなければ実装されません。
非機能要件シート
性能や品質の条件を数値で記載します。項目の抜けを防ぐには、公開されている枠組みを土台にすると確実です。
IPA(情報処理推進機構)が公開している「非機能要求グレード」では、非機能要求項目を6つの大項目ごとに階層的に整理し、要求レベルを段階的に決められる資料が提供されています。可用性、性能・拡張性、運用・保守性、移行性、セキュリティ、システム環境の観点から確認できます。
| ID | 分類 | 要件 | 目標値 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|
| NF-001 | 性能 | 受注一覧の表示が完了するまでの時間 | 5秒以内 | 現行の手作業検索が約1分のため |
| NF-002 | 性能 | 同時に利用する人数 | 最大30名 | 営業部と業務部の在籍数から算出 |
| NF-003 | 可用性 | 稼働時間 | 平日8時〜20時 | 現行の受注受付時間に合わせる |
| NF-004 | セキュリティ | ログイン方式 | ID・パスワード+二要素認証 | 社内規程で外部接続時に必須 |
| NF-005 | 運用 | バックアップの頻度 | 日次、7世代保持 | 1営業日分までの復旧を許容範囲とする |
根拠の列を設けると、過剰な要求を防げます。「なんとなく速いほうがいい」で3秒と書くと、その1項目のために費用が跳ね上がることがあります。
データ項目定義シート
扱うデータの項目を、型や制約とあわせて定義します。画面ごとではなく、データの単位でまとめると重複を避けられます。
| 項目名 | 型 | 桁数 | 必須 | 初期値・制約 |
|---|---|---|---|---|
| 受注番号 | 文字 | 10 | 必須 | 自動採番。形式はJU+年月+連番4桁 |
| 取引先コード | 文字 | 6 | 必須 | 取引先マスタに存在するもののみ |
| 数量 | 数値 | 5 | 必須 | 1以上。0と負数は入力不可 |
| 納期 | 日付 | — | 必須 | 当日以降のみ。休業日は選択不可 |
| 備考 | 文字 | 200 | 任意 | 改行可。半角カナは全角に自動変換 |
制約の列に、入力できない条件まで書いてください。「0と負数は入力不可」の1行がないと、実装者は判断できず確認に来ます。
課題・確認事項シート
決まっていないことを記録するシートです。空欄で放置せず、ここに転記して追跡します。
| No | 課題内容 | 確認先 | 期限 | 状態 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 承認者が不在の場合の代理承認を認めるか | 業務部長 | 2026/08/05 | 確認中 |
| 2 | 過去データの移行範囲(何年分を対象とするか) | 情報システム課 | 2026/08/10 | 未着手 |
| 3 | 外出先からのアクセスを許可するか | 総務・情シス | 2026/08/05 | 解決済(許可しない) |
期限と確認先を必ず入れてください。「後で決める」と書かれた課題は、開発が始まるまで残り続けます。
記入するときの5つのコツ
シートと列がそろっても、書き方によって使い勝手は大きく変わります。後の工程で効いてくる5点を挙げます。
順に見ていきます。
コツ1|IDは種類ごとに接頭辞を分ける
業務要件はRQ、機能はFN、非機能はNF、画面はSC、インターフェースはIFといった形で、種類ごとに接頭辞を変えます。
番号は連番にし、途中で削除しても詰めないでください。欠番があっても構いません。番号を振り直すと、他のシートや議事録の参照がすべてずれます。
コツ2|優先度は2〜3段階にとどめる
優先度は「MUST(必須)」「WANT(できれば)」の2段階、あるいは「見送り」を加えた3段階で十分です。5段階にすると、中間の判断で議論が発生します。
優先度は関係者が集まった場で決めてください。担当者が1人で振り分けると、後から差し戻しが起きます。
コツ3|形容詞を数値と条件に置き換える
「速い」「使いやすい」「大量の」といった表現は、人によって基準が違います。そのままセルに入れると、完成したかどうかを判定できません。
速いは「5秒以内」、大量は「1日5,000件」に置き換えます。テスト担当者がその記述から検証手順を書けるかを、判断の目安にしてください。
コツ4|1行1要件を守る
「受注を検索し、結果をCSVで出力できること」は2つの要件です。1行にまとめると、片方だけ実装された場合の判定ができません。
分割の目安は、その行だけでテストの合否を判定できるかどうかです。判定できなければ、行を分けます。
コツ5|対象外を書く行を作る
含まないものは、書かなければ伝わりません。発注側は「当然含まれる」と考え、開発側は「書いていないので含まない」と考えます。
機能一覧の末尾に対象外の行をまとめるか、業務要件シートに対象外の欄を設けます。「スマートフォン対応は今回対象外」の1行が、後の追加費用の議論を防ぎます。
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Excelならではの運用の工夫
Excelで作る利点は、機能を使って抜けやばらつきを機械的に減らせる点にあります。手作業で確認する必要はありません。
ここでは実務で効く4つの工夫を挙げます。
入力規則で表記ゆれを防ぐ
優先度、状態、分類といった列には、入力規則でプルダウンを設定します。自由入力にすると「MUST」「必須」「Must」が混在し、後で絞り込めなくなります。
複数人で編集する場合、この設定の有無で後工程の手間が大きく変わります。シートを配布する前に設定しておいてください。
フィルタと集計で抜けを見つける
機能一覧を優先度で絞り込み、MUSTが何件あるかを数えます。関連要件の列が空欄の行を抽出すれば、業務要件と結びついていない機能が見つかります。
逆に、業務要件シートのIDが機能一覧のどこからも参照されていなければ、その要件は実現手段が決まっていません。この確認は数式で自動化できます。
版管理とファイル名のルールを決める
Excelは複製が簡単なため、最新版がどれか分からなくなりがちです。ファイル名に版数と日付を入れ、置き場所を1か所に決めます。
「最終版_修正版_v2_これ.xlsx」という状態を避けるルールを、最初に決めてください。共有フォルダやクラウド上で、編集するファイルを1つに固定するのが確実です。
複数人で編集する場合の進め方
Excelファイルを同時に編集すると競合します。担当シートを分ける、編集の順番を決める、あるいはスプレッドシートに移すといった対応が必要です。
レビューのコメントは、シート内にコメント列を設けて記録してください。メールやチャットに散らばると、対応済みかどうかを追えなくなります。
Excelの限界と切り替えのタイミング
Excelは万能ではありません。規模や運用の条件によっては、途中で管理方法を変えたほうが早くなります。
ここでは切り替えを検討する4つのサインを挙げます。
機能の行数が増えすぎたとき
機能が150行を超えたあたりから、スクロールと絞り込みだけでは全体を把握しにくくなります。関連する機能どうしの関係も追いづらくなります。
この段階では、機能を分類ごとにシートを分けるか、要件管理の専用ツールへの移行を検討します。
変更履歴を追えなくなったとき
パソコンやファイルサーバーに保存したExcelには、誰がいつどのセルを変えたかを自動で記録する仕組みがありません。OneDriveやSharePoint上のファイルなら「変更内容の表示」で過去365日分の変更を確認できますが、変更した理由までは残りません。改訂履歴シートへの記入を忘れると、変更が追えなくなります。
変更が週に何度も発生する状況では、履歴が自動で残る仕組みに切り替えたほうが安全です。
図での説明が必要になったとき
業務フロー、画面遷移、システム構成といった図は、Excelでも描けますが編集しづらく、印刷時にずれます。
図が多くなってきたら、図だけを別ファイルに切り出してください。Excelには図の格納場所とファイル名を書いておきます。
切り替えを判断する基準
判断に迷う場合は、次の質問で確認します。
- 特定の要件を探すのに30秒以上かかるか
- 最新版がどれか、複数人が即答できるか
- 変更した箇所と理由を、1週間前まで遡れるか
- 開発会社がそのファイルを見て作業できるか
どれか1つでも問題があるなら、Excelの使い方か管理方法を見直す時期です。ツールを変えるより先に、シート構成の整理で解決する場合もあります。
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Excelでの作成でつまずきやすい4つのパターン
実際のファイルを見ていると、繰り返し現れる問題があります。どれも最初のルール決めで防げるものです。
ここでは4つ挙げます。
列を増やしすぎて横に長くなる
管理したい項目が増えるたびに列を足していくと、画面に収まらなくなります。スクロールしないと機能名が見えない状態では、レビューが進みません。
列を追加するときは、既存の列を1つ削れないかを先に検討してください。使っていない列は削除します。
セル結合で並べ替えができなくなる
見た目を整えるためにセルを結合すると、並べ替えもフィルタも使えなくなります。Excelを使う最大の利点が失われます。
1行1要件のルールを守れば、結合は不要になります。見た目を整えたい場合は、罫線と塗り分けではなく、列幅と折り返しで対応します。
最新版がどれか分からなくなる
メールに添付して往復するうちに、複数の版が並行して編集される状態です。反映漏れが発生し、どれが正しいのか誰にも分からなくなります。
編集するファイルを1つに固定し、その場所を関係者全員に周知してください。添付での受け渡しをやめるだけで、この問題は大きく減ります。
開発会社が読めない形式になっている
独自の色分けや略語が多く、社内では通じても外部には伝わらない状態です。凡例がないと、色の意味も判別できません。
色に意味を持たせる場合は、必ず凡例のシートを作ってください。そもそも色ではなく列で表現したほうが、絞り込みもできて確実です。
生成AIでExcelの要件定義書を効率化する
要件定義書の作成は、同じ形式の行を埋める繰り返し作業です。この性質は生成AIと相性がよく、下書きと点検で時間を削減できます。
ここでは3つの使い方と、任せてはいけない範囲を整理します。
ヒアリングメモから機能一覧の行を起こす
現場へのヒアリングで取ったメモを渡し、機能ID、機能名、入力、出力、条件の列に沿って行を作らせます。断片的な発言を表の形にそろえる作業を任せられます。
指示文には出力する列、1セルあたりの文字数、そして「メモに書かれていない仕様を追加しない」という条件を必ず入れてください。この条件を省くと、確認していない機能が事実として書かれます。
曖昧な表現と抜けを点検する
書き上げた機能一覧を渡し、「判定できない形容詞を含む行を挙げる」「関連要件の欄が空の行を指摘する」といった点検を依頼します。
非機能要件の点検では、IPAの非機能要求グレードの大項目を指示文に含めると精度が上がります。その観点で不足している項目を挙げさせられます。
数式と入力規則の作成を任せる
「機能一覧の関連要件列が、業務要件シートのID一覧に存在するかを確認する数式」といった依頼ができます。関数に不慣れでも、点検の仕組みを作れます。
入力規則やプルダウンの設定手順も、手順として説明させられます。Excelの機能を使いこなせていない場合ほど効果が出ます。
生成AIに任せてはいけない範囲
優先度の決定と投資判断は人が行います。何を必須とし何を見送るかは、事業の状況と予算を踏まえた判断であり、AIには材料がありません。
関係者との合意形成も同様です。要件定義書は文書を作ることが目的ではなく、関係者が同じ理解に立つための手段です。
また、顧客名や取引条件を含む情報を外部サービスに入力してよいかは、事前に社内規程で確認してください。入力内容が学習に使われない契約かどうかもあわせて確認が必要です。
業務でのAI活用を広く整理した内容は、業務効率化アイデア55選|部門別30+AI15+明日から3つで成果を出す方法でも紹介しています。要件定義の進め方や項目の考え方は、ネクストスケールのブログ一覧に掲載している関連記事もあわせてご覧ください。
まとめ
要件定義書をExcelで作る利点は、機能をIDで管理し、優先度で並べ替え、抜けを絞り込みで見つけられる点にあります。機能が30個を超えるあたりから、この利点がはっきりします。
シート構成は、表紙・改訂履歴、業務要件、機能一覧、非機能要件、データ項目定義、課題・確認事項の6つが基本です。画面や外部連携がある場合は、該当するシートを追加します。
記入では、IDの接頭辞を種類ごとに分ける、優先度は2〜3段階にとどめる、形容詞を数値に置き換える、1行1要件を守る、対象外を書く、の5点を押さえてください。
運用面では、入力規則で表記ゆれを防ぎ、フィルタで抜けを見つけ、編集するファイルを1つに固定します。セル結合は、並べ替えとフィルタを無効にするため避けてください。
そして、完璧な文書を作ろうとしないことです。主要なシートを埋めた段階で開発会社との打ち合わせに持ち込み、対話のなかで精度を上げる進め方のほうが、結果として早く着地します。
AIコンサル・AX伴走支援サービスご紹介資料
この資料でこんなことがわかります!
- 社外AI役員とは
- 支援内容
- 導入の進め方
- 導入実績・効果
\3ステップで簡単入力/
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この記事の監修者
株式会社ネクストスケール 代表取締役




