Mastraとは?TypeScript製AIエージェント開発フレームワークの特徴と使い方

AIエージェントを開発しようとすると、PythonのフレームワークとWebアプリケーションの実装が分断されるという問題に行き当たります。この分断を解消する選択肢が、TypeScriptで完結するAIエージェント開発フレームワークのMastraです。

Mastraは、エージェント、ワークフロー、メモリ、可観測性といった開発に必要な機能を一式で提供します。既存のReactやNext.jsのプロジェクトに組み込むこともでき、単独のサーバーとして動かすこともできます。

本記事では、Mastraの概要と主要機能から、動作確認に使うStudio、他のフレームワークとの違い、導入手順、長時間動くエージェントへの対応、本番運用の構成、そして導入時の注意点までを順に整理します。

確認したいポイント結論詳細
Mastraとは何か?TypeScript製の開発基盤エージェント、ワークフロー、メモリ、可観測性をまとめて提供するオープンソースの枠組みです。
どんな機能がある?エージェントとワークフローが中核自律的に判断する仕組みと、手順を固定して実行する仕組みを目的に応じて使い分けられます。
動作確認はどうする?Studioで対話しながら検証するツール呼び出しや実行の経路を画面上で確認でき、トレースと評価の機能も用意されています。
他の選択肢と何が違う?Web開発の延長で構築できる点Pythonへの書き換えが不要で、型による検査を効かせながら開発を進められる点が特徴です。
導入はどう始める?パッケージ導入と定義ファイル作成依存関係を入れ、エージェントを定義して登録すれば、数十行のコードから動作を確認できます。
長時間動く処理は扱える?中断と再開に対応した仕組みがある状態を保存して再開する機能や、定期実行、人の承認を挟む処理まで標準で用意されています。
本番環境にはどう載せる?自社基盤とホスティングから選べる特定の基盤に縛られない設計で、主要プラットフォーム向けの配置手段が提供されています。

この記事でわかること

  • Mastraの位置づけと、TypeScriptで完結することによる実務上の利点
  • エージェント・ワークフロー・メモリ・ツールという主要機能の役割と使い分け
  • Studioを使った動作確認と、トレース・評価による品質改善の進め方
  • 数十行のコードから始められる導入手順と、動作確認までの流れ
  • 長時間動くエージェントへの対応方法と、本番運用で押さえるべき構成
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目次

MastraとはTypeScript製のAIエージェント開発基盤

Mastraは、AIアプリケーションと自律的に動くAIシステムを構築するためのオープンソースのTypeScriptフレームワークです。既存プロダクトへ機能として組み込む用途から、計画から実装、レビューまでを自律的に進める長時間稼働の仕組みまでを対象としています。

静的サイトジェネレーターのGatsbyを手がけた開発チームによって作られており、Webアプリケーションを構築するのと同じ感覚でエージェントを開発できることを目指しています。

提供される機能の範囲

Mastraが提供するのは、エージェント、ワークフロー、メモリ、ワークスペース、可観測性という一式です。個別のライブラリを組み合わせて土台を作る手間がなく、統合の判断に費やす時間を減らせます。

必要な機能だけを選んで使えるモジュール構造になっているため、最初から全機能を理解する必要はありません。単一のエージェントから始めて、必要になった機能を後から足していく進め方が想定されています。

ファイルの読み書きやコマンド実行を隔離された環境で行わせる機能も含まれます。手元の環境を直接触らせずに作業させられるため、実務で任せられる範囲が広がります。

AIエージェントという仕組みそのものの位置づけについては、AIエージェント導入で得られるメリットでも整理しています。

TypeScriptで完結することの意味

AIエージェントのフレームワークはPython製が主流でした。そのため、Webアプリケーションの実装がTypeScriptの場合、言語をまたいだ構成を組むか、ロジックを書き換えるかの判断を迫られる場面が多くありました。

MastraはこのやりとりをTypeScriptの中で完結させます。ReactやNext.js、Node.jsといった環境と組み合わせられるほか、単独のサーバーとして配置することもできます。既存のWeb開発の資産をそのまま活かせる点が実務上の利点です。

型情報が効くことで、コンパイル時に不整合を検出できる利点もあります。エージェントの入出力やツールの引数を型で定義できるため、規模が大きくなっても保守しやすい構成を保てます。

チーム構成の面でも影響があります。フロントエンドを担当していたメンバーがそのままエージェントの実装に関われるため、AI開発のために別の人員を確保する必要が小さくなります。

注目される背景

企業側でAIの業務利用は広がっています。総務省の令和7年版情報通信白書によると、何らかの業務で生成AIを利用していると回答した日本企業の割合は55.2%という結果が示されています。

その一方で、同白書は日本企業が最も懸念している点として「効果的な活用方法がわからない」を挙げています。チャット画面での一問一答から先へ進むには、自社の業務データやシステムと接続した仕組みを自分たちで組み立てる必要があり、そこで開発の土台となる枠組みが求められています。

参照:総務省「令和7年版 情報通信白書」企業におけるAI利用の現状

Mastraを構成する主要機能

Mastraの機能を把握するには、エージェントとワークフローという2つの中核から押さえるのが近道です。この2つは対立するものではなく、目的に応じて使い分ける関係にあります。

そこにメモリとツールが加わることで、実務で使える構成になります。

エージェント

エージェントは、言語モデルとツールを使って手順が事前に決まっていない課題を解く仕組みです。目標について推論し、どのツールを使うかを判断し、最終的な回答が出るまで内部で繰り返し処理を進めます。

定義に必要なのは、識別子、名称、振る舞いを記述する指示文、使用するモデルの4つです。モデルは提供元と名称をスラッシュでつないだ文字列で指定でき、対応する環境変数を設定しておけば追加のパッケージ導入は不要です。

複数のエージェントに役割を分担させる構成も組めます。1体に大量のツールと長い指示文を持たせるのではなく、責務を分けたうえで取りまとめ役に統合させる考え方は、マルチエージェントの構成と使いどころでも扱っています。

ワークフロー

ワークフローは、処理の流れを明示的な手順として定義する仕組みです。単一のエージェントの推論に委ねるのではなく、どの順序で何を実行するかを構造化して記述します。

順次実行、並列実行、条件による分岐、条件を満たすまでの繰り返しといった制御に対応しています。再現性と監査可能性が求められる処理では、エージェントよりワークフローのほうが適した選択になります。

各ステップからエージェントを呼び出すことも、ツールを直接実行することもできます。推論が必要な場面だけエージェントに任せ、決まった処理はツールで済ませるという組み合わせが実務的な形です。

入出力はスキーマで定義するため、ステップ間で受け渡されるデータの形が保証されます。処理が長くなるほど、この検査が不具合の早期発見に効いてきます。

メモリ

メモリは、過去のやりとりや利用者の情報を保持する仕組みです。会話の履歴を踏まえた応答が可能になり、毎回すべての前提を伝え直す必要がなくなります。

限られた文脈量の中で何を保持するかが設計上の要点になります。すべてを保持しようとすると処理の効率が落ちるため、業務にとって重要な情報を選んで残す設計が求められます。

会話の単位と利用者の単位を分けて管理できるため、同じ人物との複数のやりとりを整理して扱えます。問い合わせ対応のように継続性が求められる用途では、この仕組みが精度を左右します。

ツールとMCP

ツールは、外部のAPIやサービスに対する処理をエージェントから呼び出せるようにする仕組みです。識別子、説明、入力スキーマ、実行処理を定義する形で作成します。

入力スキーマにはスキーマ検証ライブラリを使うため、受け取る値の型がそのまま検査の対象になります。想定外の入力による不具合を実行前に検出できる構成です。

外部ツールとの接続では、標準規格であるMCPにも対応しています。既存のMCPサーバーをそのまま利用できるため、接続対象を自作せずに済む場面が増えます。

社内文書を参照させたい場合は、検索と生成を組み合わせる仕組みも用意されています。手元の資料をエージェントの回答根拠として使う構成は、調査業務をAIエージェントに任せる進め方でも扱っています。

Studioによる動作確認と品質改善

Mastraを扱ううえで最初に触れることになるのが、開発中のエージェントを対話しながら検証できるStudioです。実装したものが意図どおりに動くかを画面上で確かめられます。

エージェント開発では、出力が期待と異なったときに原因を特定する作業が大きな比重を占めます。この工程を支える機能が標準で用意されている点は、他の選択肢と比べたときの明確な差です。

Studioでできること

Studioでは、さまざまな入力を与えてエージェントを試し、どのツールがどの順序で呼ばれたかを確認できます。応答だけでなく途中の処理を見られるため、指示文の修正箇所を判断しやすくなります。

エンジニア以外にも共有できる点も特徴です。配置して共有すれば、公開前に関係者が実際に触って確認できます。エディタとエージェントビルダーを使えば、技術者でないメンバーがエージェントを作って調整することも可能で、変更内容はコードとして記録されます。

業務を理解している担当者が直接調整できることには意味があります。指示文の細かな言い回しは現場の知識が反映されるほど精度が上がるため、開発者を介さずに試せる状態は改善の速度に直結します。

トレースと可観測性

複数のステップを経て回答を生成するエージェントでは、各段階の入出力を可視化できないと精度の改善が進みません。Mastraはログ、トレース、メトリクスを標準で備えており、開発時だけでなく本番環境でも実行内容を追えます。

分散トレーシングの標準規格に対応しているため、特定の監視サービスに縛られない構成を取れます。既に使っている監視基盤があれば、そこへデータを集約する形も選べます。

評価による改善の循環

出力の良し悪しを測る仕組みも用意されています。ルールに基づく採点と、言語モデルに評価させる採点の両方に対応しており、本番環境での実行時にも、継続的インテグレーションの中でも動かせます。

実際の実行記録からデータセットを作り、条件を変えて比較することもできます。記録の確認から指示文の修正、効果測定までを一続きで回せる点が、品質改善を進めるうえでの利点です。

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他のフレームワークとの違いと向き不向き

選定の判断材料になるのは、開発言語と、提供される機能の範囲の2点です。どちらも既存の開発体制との相性に直結します。

他の選択肢と比べたときの位置づけを整理しておきます。

Python製フレームワークとの違い

Python製のフレームワークは選択肢が多く、機械学習まわりの資産と組み合わせやすい利点があります。一方で、Webアプリケーションの実装がTypeScriptの場合、言語の壁を越えるための構成が別途必要になります。

Mastraを選ぶ判断が効くのは、既存プロダクトがTypeScriptで構築されている場合です。同じリポジトリ内で管理でき、型定義を共有でき、デプロイの経路も揃えられます。この一貫性が、運用フェーズでの負担を下げます。

言語モデルとエージェントの関係を整理したうえで検討したい場合は、LLMとAIエージェントの関係を整理するもあわせて参考にしてください。

エージェントとワークフローの使い分け

Mastraの中で迷いやすいのが、この2つの選択です。判断の基準は明確で、課題が開放的で手順を事前に決められないならエージェント、手順が決まっていて制御が必要ならワークフローです。

実務では両方を組み合わせる構成が多くなります。全体の流れはワークフローで固定し、判断が必要な工程だけエージェントに任せる形にすると、再現性を保ちながら柔軟性も確保できます。

迷ったときは、処理の結果が毎回同じであるべきかどうかを基準にすると判断しやすくなります。同じ入力に同じ出力が求められる処理は、推論に委ねるべきではありません。

向いているケースと慎重に判断すべきケース

向いているのは、既存のWebサービスへAI機能を組み込む用途、社内向けの補助ツールの開発、データを自然な文章で問い合わせる仕組みの構築といった領域です。国内でもソフトバンクやPLAIDといった企業の活用事例が公開されています。

慎重に判断したいのは、TypeScriptを扱える人員が社内にいない場合です。フレームワークの利点は、開発言語が揃っていることを前提に成立します。前提が異なる場合は、他の選択肢との比較を丁寧に行う必要があります。

ツールの比較検討を進める際は、AIエージェントツールの比較と選び方の観点も判断材料になります。

導入の手順と最初の動作確認

Mastraの導入は、依存関係の導入、エージェントの定義、登録、実行という流れで進みます。数十行のコードから動作を確認できるため、検証の負荷は高くありません。

手順を順に見ていきます。

環境の準備

必要になるのは、Node.jsの実行環境と、利用する言語モデルの提供元が発行するキーです。パッケージとしては、中核となるライブラリ、スキーマ検証ライブラリ、TypeScript関連の型定義、コマンドラインツールを導入します。

TypeScriptの設定ファイルもあわせて用意します。新しいバージョンのNode.jsであればTypeScriptのファイルを直接実行できるため、変換の工程を挟まずに試せます。

エージェントとツールの定義

エージェントは、専用のクラスを読み込んで識別子と名称、指示文、モデルを渡す形で定義します。指示文はエージェントの振る舞いと得意分野を決める部分で、ここの記述が出力の質を大きく左右します。

ツールを持たせる場合は、専用の作成関数を使って定義します。単なるオブジェクトとして書いた定義は実行されない仕様のため、必ず所定の形式で作成してください。ここは導入時につまずきやすい箇所です。

指示文の書き方によって成果が変わる点は、他のAI活用と共通しています。伝え方の基本はAIアプリ開発の進め方と押さえどころでも整理しています。

登録と実行

定義したエージェントは、入口となるファイルでインスタンスに登録します。登録することで、ワークフローやツール、他のエージェントから呼び出せるようになり、保存領域やログ、可観測性といった共有機能も利用できます。

実行は、識別子を指定して取り出したうえで応答生成のメソッドを呼ぶだけです。すべての処理が終わってから結果を受け取る方式と、逐次的に受け取る方式の両方を選べます。

動作確認

ローカルでサーバーを起動すると、Studioの画面から動作を確認できます。想定した回答が返るか、ツールが適切に呼ばれるかをここで検証します。

この段階で違和感があれば、指示文の記述、ツールの説明文、入力スキーマの定義を見直します。ツールの説明文はエージェントが使用を判断する材料になるため、曖昧な記述は誤った呼び出しの原因になります。

確認は1つの入力で終わらせず、想定される言い回しの幅を試します。実際の利用者は開発者が想定した通りの表現では入力しないため、この段階で幅を確かめておくと本番での不具合を減らせます。

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長時間動くエージェントへの対応

1回のやりとりで完了する処理だけでなく、数時間から数日にわたって動き続ける処理にも対応しています。障害の対応を担う仕組みや、特定の条件を監視し続ける仕組みがこれにあたります。

この領域は、通常のリクエスト処理とは異なる設計が必要になります。

状態の保存と再開

実行状態を保存する機能により、再起動や接続断が起きても処理を再開できます。長く動く処理では途中で何らかの中断が起きる前提で設計する必要があり、この機能がその前提を満たします。

ワークフローでも、ステップ間で共有する状態を持てます。中断と再開をまたいで状態が保持されるため、途中経過を失わずに処理を続けられます。

定期実行とバックグラウンド処理

時刻指定による定期実行に対応しており、決まった間隔で処理を走らせられます。毎時の状況確認や日次の集計といった、繰り返し発生する作業を仕組みに寄せられます。

処理に時間のかかるツールの呼び出しは、本体の処理を止めない形で実行できます。応答を待たせずに済むため、利用者側の体験を損なわずに重い処理を組み込めます。

目標を保持し続ける機能もあり、達成されるか設定した上限に達するまで処理を続けさせられます。監視や追跡といった終わりの決まっていない業務で使いやすい仕組みです。

人の判断を挟む仕組み

処理を一時停止して人の承認を待つ機能も用意されています。影響の大きい操作の前に人が確認する工程を組み込むことで、自動化の範囲を広げながら安全性を保てます。

実行中のエージェントに対して追加の情報を送り、途中で方向を修正することもできます。任せきりにするのでも全部を手動にするのでもない、中間的な運用が取れる設計です。

本番運用に向けた構成と配置

検証で動いたものを業務で使い続けるには、配置先と構成の判断が必要になります。Mastraは特定の基盤に依存しない設計を取っており、選択肢は複数あります。

判断の材料になる要素を整理します。

配置先の選択肢

最も手早いのは、Mastraが提供するホスティングを使う方法です。アプリケーションをAPIサーバーとして構築し、安定したエンドポイント、環境変数、独自ドメイン、配置履歴の管理までを担います。

自社の基盤で動かす場合は、主要なプラットフォーム向けの配置手段が用意されています。仮想マシンやコンテナへ標準的なサーバーとして配置する形も、既存のTypeScriptアプリケーションの中に組み込む形も選べます。

モデルと保存先の選択

言語モデルの提供元、データベース、実行環境、監視基盤のいずれも選択できます。特定の提供元に縛られる構成を避けられるため、後から切り替える判断も取りやすくなります。

モデルは文字列で指定する方式のため、提供元を変える場合も記述の変更で対応できます。性能と費用のバランスを見ながら見直せる構成にしておくと、運用開始後の調整がしやすくなります。

保存先についても、開発時は手軽な構成で始め、本番では要件に合うデータベースへ切り替える進め方が取れます。最初から本番想定の構成を組む必要がないため、検証の立ち上げが速くなります。

リスクと費用の制御

本番運用では、認証、利用者ごとの分離、出力内容の制限といった仕組みが必要になります。Mastraにはこれらを扱う機能が用意されており、想定外の出力を遮断する処理も組み込めます。

費用面では、消費量に上限を設ける処理を挟めます。エージェントは繰り返し処理を行う性質があるため、上限を設けずに運用すると想定を超える費用が発生する可能性があります。導入初期から設定しておく価値のある項目です。

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導入時に押さえておきたい注意点

利点の多い選択肢ですが、導入にあたって把握しておくべき点もあります。更新への追従、情報の取り扱い、扱える人材の確保の3点です。

事前に把握しておけば、対策を織り込んだ形で始められます。

更新への追従

開発が活発に進んでいるため、機能の追加や仕様の変更が頻繁に発生します。試験的な位置づけの機能も含まれており、そうした機能を本番の中核に据える判断は慎重に行う必要があります。

対策としては、採用する機能を安定した範囲に絞ることと、更新内容を定期的に確認する体制を持つことです。バージョンを固定したうえで、計画的に更新する運用にしておくと影響を抑えられます。

公式ドキュメントの更新頻度も高いため、実装前に最新の記述を確認する習慣をつけておくと手戻りを減らせます。過去の記事や解説を根拠にすると、既に変わった仕様に沿ってしまう場合があります。

情報の取り扱い

エージェントが業務データへ接続する構成では、どの情報をどこへ渡すのかを整理しておく必要があります。言語モデルの提供元へ送る情報の範囲、保存先の所在、記録の保持期間といった項目が対象です。

外部のツールと接続する場合は、接続先の信頼性も確認します。取得した内容がそのまま指示として解釈される可能性を考慮し、外部から取り込んだ情報を無条件に信用しない設計にしておくことが求められます。

扱える人材の確保

TypeScriptの経験があれば習得の負荷は比較的小さいものの、エージェント特有の考え方は別途身につける必要があります。指示文の設計、任せる範囲の判断、出力の妥当性の確認といった領域です。

社内に担い手がいない場合は、外部の知見を借りながら進める選択肢もあります。委託先の選定については、AIシステム開発会社を選ぶときの判断基準も参考になります。

その際も、判断の基準を自社に残しておくことが重要です。実装を任せる場合でも、要件と確認の観点は自社で持っておくことで、後から内製へ戻す判断が取れる状態を保てます。

まとめ

Mastraは、AIエージェントの開発に必要な機能をTypeScriptの環境で一式提供するフレームワークです。既存のWeb開発の延長で構築でき、検証から本番運用までを同じ枠組みの中で進められる点が最大の特徴といえます。

押さえるべき要点は、エージェントとワークフローを目的に応じて使い分けること、Studioとトレースを使って改善を回すこと、配置先とモデルを縛られない構成にしておくこと、そして費用と情報の取り扱いに上限とルールを設けることの4点です。

検証自体は数十行のコードから始められます。小さく作って動きを確かめ、必要な機能を足していく進め方が、結果として最も早く実務に載せる方法になります。

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この記事の監修者

石丸真平

石丸真平

NEXTSCALE コンサルタント / AI活用・業務効率化支援

NEXTSCALEのコンサルタントとして、生成AI活用、業務効率化、DX推進に関する支援を担当する想定のプロフィールエリアです。業務整理からツール選定、導入設計、社内定着までを一気通貫で支援する人物紹介として使用します。

ワイヤー段階では、監修者名、肩書き、プロフィール本文、関連リンク、著者導線がどのように入るかを確認できる構成にしています。実装時には実際のプロフィール文や外部リンク、SNSアカウント情報などに差し替える想定です。
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