AI実装検定とは?B級・A級・S級の難易度と合格率、勉強法や取得メリットを解説

AI人材の需要が高まるなかで、自分のスキルをどう示せばよいのか迷う方は少なくありません。AI関連の資格はいくつもありますが、そのなかでも実装力に軸を置いているのがAI実装検定です。

ただ、B級・A級・S級という3段階の構成や、G検定・E資格との位置づけの違いはわかりにくく、「どの級から受ければよいのか」「取得して意味があるのか」で判断が止まってしまうことも多い資格です。

この記事では、公式に公開されている試験概要をもとに、各級で問われる内容と難易度、勉強方法と学習時間の目安、申込から受験当日までの流れ、そして企業が人材育成に使う場合の考え方まで順に整理します。

確認したいポイント結論詳細
AI実装検定とは?実装力を認定する民間のAI資格AI実装検定実行委員会が運営する試験で、合格すると「ディープラーニング実装師」の称号が付与されます。認定レベルは3段階です。
難易度はどれくらい?B級<G検定<A級<E資格<S級が目安合格基準はどの級も正答率70%以上。B級は入門者向け、A級は理系大学生・社会人程度、S級は最難関に位置づけられています。
受験料と試験時間は?B級9,900円/A級14,850円/S級33,000円試験時間はB級が40分、A級とS級が60分。いずれもテストセンターでのCBT形式で、四肢択一の選択問題が出題されます。
どの級から受けるべき?未経験ならB級、実装を学ぶならA級AIに触れたことがない方はB級から、Pythonと数学の基礎がある方はA級、業務でモデルを扱う方はS級が目安になります。

この記事でわかること

  • AI実装検定の概要と、合格して得られる「ディープラーニング実装師」の称号の意味
  • B級・A級・S級で問われる内容、出題数、試験時間、受験料の違い
  • G検定・E資格と比べた難易度の位置づけと、各級の合格基準
  • 「意味ない」と言われる理由と、取得が向いている人・向いていない人の条件
  • 級ごとの勉強方法と学習時間の目安、申込から受験当日までの流れ
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目次

AI実装検定とはディープラーニングの実装力を認定する民間資格

まずは、この資格がどのような位置づけにあるのかを確認しておきます。運営団体、得られる称号、受験の方式という3点を押さえると、他のAI資格との違いが見えやすくなります。

AI実装検定実行委員会が運営している

AI実装検定は、AI実装検定実行委員会(AIEO)が実施する試験です。公式サイトによれば、同委員会は日本国内でAIに関連した知識を100万人が学ぶ社会を理念として、2020年5月に設立されました。

義務教育を終えていれば誰でも挑戦できる試験として設計されている点が特徴で、受験資格に学歴や実務経験の制限はありません。AIに興味があれば、いきなり上位の級から受験することもできます。

試験の対象はディープラーニングに関する実装能力と知識で、B級・A級・S級の3つの認定レベルが用意されています。日本ディープラーニング協会が主催するG検定やE資格の実装レベルを意識した設定になっている点も、公式に説明されています。

出典:AI実装検定 公式サイト

AI実装検定 - AI実装検定はAIに関...
AI実装検定 AI実装検定はAIに関する知識・実装力を認定する資格です。AI初学者からビジネスレベルの知識・実装力まで幅広く対応しております。

合格すると「ディープラーニング実装師」の称号が付与される

各級に合格すると、その級に応じた「ディープラーニング実装師」の称号が与えられます。あわせて合格ロゴが発行され、名刺やポートフォリオなどに掲載できます。

称号は履歴書や職務経歴書に記載でき、AI関連の求人や副業案件へ応募する際に、学習してきた範囲を客観的に示す材料になります。実務経験がまだ少ない段階では、面接で話す材料としても使いやすいでしょう。

認定証は合否発表後にマイページから確認でき、合格ロゴの案内は試験結果レポートに記載されています。レポートは後から再発行されないため、受験後は必ず保管しておいてください。

テストセンターでのCBT形式で受験する

受験環境は、テストセンターに出向いてコンピュータで解答するCBT形式です。以前は自宅からのオンライン受験でしたが、2022年8月からこの方式に変更されました。

回答方法は四肢択一の選択問題で統一されています。記述式やコーディングの実技はなく、選択肢から選ぶ形式である点は、S級の実装問題であっても変わりません

申込は株式会社CBT-Solutionsが運営する受験申込サイトから行い、日程と会場を自分で選べます。年に数回しか実施されない試験と比べると、学習の進み具合に合わせて受験日を決めやすい仕組みです。

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B級・A級・S級で問われる内容の違い

3つの級は、単に難易度が違うだけでなく、問われている力そのものが異なります。ここでは公式のシラバスをもとに、それぞれの出題内容と試験時間、受験料を確認します。

B級:AIの概要を7つの側面から問う入門レベル

B級は、AIに興味はあるものの知識がまったくない入門者が、最初の目標として挑戦できる級として設計されています。出題は「AI超入門」の30題、試験時間は40分です。

問われる範囲は、学習と推論、データとタスク、パターン認識、歴史、読み書き表現、計算と整理、開発と運用という7つの側面に分かれています。プログラミングを書く力ではなく、機械学習やディープラーニングがどういうものかを直感的に理解できているかが問われます

位置づけとしては、AIの網羅的な知識を問うG検定の前段にあたるレベルです。受験料は一般で9,900円(税込)で、学生向けの価格も設定されています。

A級:AI・プログラミング・数学の3分野から出題される

A級は60題を60分で解く形式で、数学20題、プログラミング20題、AI20題という配分になっています。1問あたり1分という配分のため、解答スピードも問われます。

AI分野では、入力層と出力層、重み、順伝播の計算、バイアス項、シグモイド関数、二乗和誤差、誤差逆伝播法、連鎖律といったニューラルネットワークの基礎構造が対象です。プログラミング分野は、NumPy、pandas、Matplotlib、seaborn、scikit-learnといったPythonのライブラリが範囲になります。

数学分野は、集合と確率、数列と行列、関数と微分が中心で、高校数学の内容にごく一部の大学数学が加わります。3分野をバランスよく仕上げる必要があるため、どれか1つが極端に苦手だと合格が遠のきます

受験料は一般で14,850円(税込)です。E資格の認定プログラムに挑戦できるレベルとされており、理系大学生・社会人程度が想定されています。

S級:フレームワークを使った実装問題だけが出題される

S級は50題を60分で解く構成で、内訳は自然言語処理20題とモデル30題です。B級やA級のような知識問題は含まれず、PyTorchやKerasといったフレームワークを使った実装問題だけで構成されている点が最大の違いです。

自然言語処理ではseq2seq、Transformer、HRED、Word2Vecが、モデル分野ではVGG、GoogLeNet、ResNetやWideResNet、MobileNet、EfficientNet、DenseNetが範囲に挙げられています。いずれも原論文の範囲から出題されます。

受験料は33,000円(税込)で、他の級と比べて高く設定されています。公式サイトでも現在のAIの最難関資格と位置づけられており、論文著者の実装例やフレームワーク公式の実装例を読み込むことが対策として案内されています。

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AI実装検定の難易度と合格率の目安

受験を決める前に気になるのが、どの程度難しいのかという点です。合格基準は公式に示されていますが、合格率については公表されていないため、判断材料の読み方に注意が必要です。

合格基準はどの級も正答率70%以上

B級・A級・S級のいずれも、合格基準は正答率70%以上と公式に示されています。級が上がるほど基準が厳しくなるのではなく、同じ基準のまま出題される問題そのものの難易度が上がる仕組みです。

B級であれば30題中21題、A級は60題中42題、S級は50題中35題が目安になります。取りこぼせる問題数がはっきりしているため、模擬的に解いて自分の到達度を測りやすいのは利点です。

合格率は公表されていない点に注意する

AI実装検定の合格率は、級別の公式な数値としては公表されていません。インターネット上には各級の合格率を示す記事が複数ありますが、推定値や受験体験記をもとにした数字であり、公式発表ではない点は押さえておくべきです。

そのため、合格率の数字だけを見て「受かりやすい」「難しすぎる」と判断するのではなく、シラバスに挙げられた項目を自分がどこまで説明できるかで測るほうが確実です。公式サイトではサンプル問題も公開されているため、まず解いてみることをおすすめします。

G検定・E資格と比べた位置づけ

難易度の目安としてよく紹介されるのが、B級<G検定<A級<E資格<S級という並びです。B級はG検定の前段、A級はE資格の認定プログラムに挑戦できるレベルという公式の説明とも整合しています。

ただし、比較すべきは難易度だけではありません。G検定はAIの網羅的な知識を問う試験、E資格は認定プログラムの受講が受験条件になる試験で、AI実装検定は受験資格の制限がなく、実装に範囲を絞っている点が違いです。

知識を体系的に押さえたいならG検定、実装まで含めて段階的に力を測りたいならAI実装検定というように、目的から選ぶと迷いにくくなります。

難しく感じる原因は分野の広さにある

特にA級で難しいと感じられやすいのは、AI・プログラミング・数学という性質の異なる3分野を、限られた時間で切り替えながら解く必要があるためです。

数学が得意でもPythonのライブラリに触れた経験がなければ得点は伸びず、逆も同じです。苦手分野を後回しにせず、週ごとに学習テーマを決めて3分野を並行して進めるほうが、結果的に短い期間で仕上がります

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AI実装検定を取得するメリット

資格そのものが仕事を保証するわけではありませんが、学習と評価の両面で得られるものがあります。ここでは4つの観点から、取得する意味を整理します。

学習範囲がシラバスで明確になる

独学でAIを学ぶとき、最も難しいのは「どこまでやれば十分なのか」がわからないことです。AI実装検定は公式サイトでシラバスが公開されており、級ごとに項目が具体的に列挙されています。

学ぶべき項目が一覧になっていること自体が、独学の設計図として役立ちます。合格を目指さない場合でも、自分の理解が抜けている箇所を確認するチェックリストとして使えます。

実装に寄せたスキルを客観的に示せる

AI関連の資格には知識中心のものも多いなかで、この検定は実装に軸を置いています。特にS級は実装問題のみで構成されているため、合格そのものが実装経験の裏づけになります。

採用や案件応募の場面では、学習の積み重ねを示す指標として評価される場合があります。ポートフォリオと組み合わせれば、何をどこまでできるのかを伝えやすくなります。

上位資格への足がかりになる

A級はE資格の認定プログラムに挑戦できるレベルとされており、次のステップに進むための到達点として使えます。いきなりE資格を目指すよりも、途中に測定点があるほうが学習は続きやすいものです。

B級からA級、A級からS級と段階を踏めることが、学習を継続する仕組みとして機能します。数か月単位で目標を置き直せるため、モチベーションの維持にもつながります。

企業の人材育成の指標として使える

社内でAIを扱える人を増やしたい場合、到達レベルを共通の言葉で表せることには価値があります。「B級までは全員」「開発担当はA級」といった形で、育成目標を具体的に置けるようになります。

研修の効果を測る手段が社内にない企業ほど、外部の基準を使うメリットが大きくなります。受験費用の補助制度と組み合わせている企業も見られます。

企業側のAI活用の進め方や導入事例については、ネクストスケールのコラム一覧でも取り上げています。

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「意味ない」と言われる理由と実際のところ

検索すると「AI実装検定は意味ない」という意見も見かけます。指摘されている内容には妥当な部分もあるため、そのまま受け取るのではなく、理由を分解して考えたほうが判断を誤りません。

知名度がG検定やE資格ほど高くない

資格単体での知名度は、日本ディープラーニング協会のG検定やE資格と比べるとまだ高いとはいえません。採用担当者が名称を知らないケースもあります。

知名度を理由に価値がないと判断するのではなく、面接で学習範囲を説明できるかどうかで差がつくと考えたほうが実態に近いでしょう。シラバスの項目を自分の言葉で話せれば、資格名の知名度に関わらず伝わります。

資格を取っただけで実務ができるわけではない

四肢択一の選択問題である以上、実際にコードを書いて動かす経験の代わりにはなりません。特にデータの前処理や運用面は、試験範囲だけでは補いきれない部分です。

資格取得と並行して、手を動かす学習を必ず組み合わせることが前提になります。公開データセットを使って自分で学習と評価まで回してみると、試験内容の理解も深まります。

受験の目的を先に決めておく

「総合的にAIの知識を身につけたい」「業務でAIを使いたい」「転職で示せるものがほしい」といった動機は、いずれも受験する理由として十分です。ただし、目的によって適切な級と学習方法は変わります。

資格を取ること自体が目的になると、合格後に手応えのなさを感じやすくなります。取得したあと何をするのかまで決めてから申し込むと、学習の内容も自然と実務寄りになります。

級別の勉強方法と学習時間の目安

ここからは、実際にどう学習を進めるかを級ごとに整理します。学習時間は前提となる知識によって大きく変わるため、目安として捉えてください。

B級:公式教材を通読して用語をそろえる

B級は公式教材として『中学生から分かるAI入門講座』が案内されています。AIの概要を直感的に理解できているかを問う試験のため、専門書を何冊も読む必要はありません。

まず教材を通読して用語の意味をそろえ、公式サイトのサンプル問題で出題の形式に慣れる流れが基本です。学習と推論、分類と回帰、CPUとGPUの違いといった概念を、自分の言葉で説明できる状態を目指してください。

プログラミング未経験の方でも、数週間の学習で到達できる水準に設定されています。まずここを通過して、AI領域の全体像をつかむ使い方が向いています。

A級:3分野を並行して進める

A級には公式テキストが用意されています。著者は佐々木淳氏、監修はAI実装検定実行委員会、発行元は大学教育出版で、A5判352ページ、定価3,630円(税込)です。AI・数学・Pythonの3カテゴリを網羅した構成になっています。

学習の進め方としては、数学の計算に慣れること、NumPyやpandasを実際に動かすこと、ニューラルネットワークの順伝播と誤差逆伝播を手計算で追うことの3つを並行させます。数学の計算問題は解答スピードが合否を分けやすいため、時間を計った練習を早い段階から入れておくことが有効です。

プログラミング経験がある方で数十時間、未経験から始める場合は数か月の学習期間を見込むケースが多く見られます。仕事と両立するなら、週ごとのテーマを決めて進めるほうが挫折しにくくなります。

S級:論文と公式実装例を読み込む

S級は知識問題がなく、フレームワークを使った実装問題のみで構成されます。そのため、対策の中心は出題対象となっているモデルの原論文と、その実装例を読むことになります。

公式サイトでも、論文著者の実装例やKerasなどフレームワーク公式の実装例を参考にするよう案内されています。コードを読むだけでなく、自分で書き換えて動かしてみることが、選択肢を見分ける力につながります

対象となるモデルは自然言語処理と画像処理の双方にまたがるため、どちらか一方の経験しかない場合は、手薄な領域から着手すると効率的です。

独学と講座の使い分けを考える

シラバスが公開されているため、市販の書籍とオンライン教材だけで独学することは十分に可能です。費用を抑えたい場合は、まずこの方法から始めて問題ありません。

一方で、数学やPythonでつまずいたときに質問できる相手がいないと、学習が止まってしまうこともあります。自分がどこでつまずきやすいかを踏まえて、独学と講座を組み合わせるかを決めるとよいでしょう。公式にも対策講座が案内されています。

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受験の申込方法と当日の流れ

試験の内容が固まったら、次は手続きです。CBT形式のため、一般的な会場試験とは進め方が少し異なります。事前に流れを把握しておくと当日あわてずに済みます。

申込はCBT-Solutionsのサイトから行う

個人で受験する場合は、株式会社CBT-Solutionsが管理運営する受験申込サイトからアカウントを作成し、試験日と会場を選んで申し込みます。決済もこのサイト上で完了します。

日程と会場を自分で選べるため、学習の進み具合に合わせて受験日を後から決められるのがCBT形式の利点です。会場によって空き状況が異なるため、希望日がある場合は早めに押さえておきましょう。

法人や団体での受験にも対応しており、請求書払いやバウチャーの発行も相談できると案内されています。社員研修として複数名で受ける場合は、この窓口を確認してください。

試験当日はテストセンターで受験する

当日は本人確認のうえ、携帯電話や上着などの手荷物を指定のロッカーに預けます。試験室では、貸し出される筆記用具とメモ用紙のみを使用します。

受験ログイン情報シートに記載されたIDとパスワードを入力すると試験が始まります。試験内容に関する質問には一切回答されないため、操作に不安がある場合は事前にCBT体験を済ませておくことをおすすめします。

結果レポートと合格ロゴを受け取る

試験終了後は、試験監督員に筆記用具とメモ用紙を返却し、試験結果レポートを受け取って終了です。認定証は合否発表後にマイページから確認できます。

合格ロゴの案内は結果レポートに記載されているため、この用紙は紛失しないよう保管してください。ロゴは名刺やプロフィールに掲載でき、取得した級を対外的に示す手段になります。

どの級から受けるべきかの判断基準

受験資格に制限がないぶん、どこから始めるかは自分で決める必要があります。現在のスキルを3つのパターンに分けて、目安を示します。

AIに触れたことがない・非エンジニアの場合

プログラミングの経験がなく、AIという言葉の意味から確認したい段階であればB級が適しています。用語と概念を一通りそろえられるため、その後の学習の土台になります。

営業や企画の立場でAIを扱う機会がある方にとっては、B級までで実務上の会話に困らない水準に届きます。開発を担当しないのであれば、無理にA級へ進む必要はありません。

Pythonと数学の基礎がある場合

大学で線形代数や微分積分を学んでいる、あるいは業務でPythonを使っている方であれば、B級を飛ばしてA級から挑戦する選択肢があります。

ニューラルネットワークの順伝播と誤差逆伝播を自力で追えるかどうかが、A級から始められるかの分かれ目になります。不安がある場合は、公式のサンプル問題を解いて判断してください。

業務でモデルを扱っている場合

すでに画像処理や自然言語処理のモデルを扱っている方は、S級が実力の測定点になります。ただし出題は原論文の範囲からとなるため、日常的に使っているモデルでも改めて論文を確認する必要があります。

A級の知識問題を省略できるぶん、S級は準備の方向が明確です。フレームワークの実装例を読む習慣がある方であれば、比較的短い期間で対策できます。

企業がAI実装検定を人材育成に活用する方法

この資格は個人が受けるものというイメージが強いものの、社内のAI人材を育てる指標としても使えます。ここでは企業側の視点から3つの使い方を整理します。

到達レベルの共通言語として使う

「AIがわかる人材を増やす」という目標は、そのままでは進捗を測れません。B級・A級・S級という区分を借りれば、部署ごとに目指す水準を具体的に設定できます。

全社員はB級、データを扱う部署はA級、開発担当はS級というように役割ごとに置き分けると、研修の設計が進めやすくなります。受験費用の補助を制度として用意している企業もあります。

資格取得と実務経験を組み合わせる

資格の学習だけでは、自社のデータや業務に合わせた実装の経験までは積めません。社内の小さな課題を題材にして、学んだ内容をすぐ試せる場を用意することが重要です。

学習と実務を往復させる仕組みがあるかどうかで、研修が定着するかどうかが分かれます。取得後に担当する業務まで決めてから受験を促すと、学習の質も上がります。

育成と外部パートナーの併用を検討する

経済産業省が公表した「IT人材需給に関する調査」では、IT人材の需給ギャップが2030年には最大で約79万人に拡大する可能性があると試算されています。AIやビッグデータを扱う先端IT人材については、特に確保が課題として挙げられてきました。

社内育成には時間がかかるため、当面の開発は外部に委託しつつ、並行して社内の人材を育てるという二本立てが現実的です。委託先とやり取りする社員が基礎知識を持っているだけでも、要件の伝達や成果物の確認は格段にスムーズになります。

出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査」報告書

AI開発を外部に委託する際の費用感や会社の選び方は、ネクストスケールのコラム一覧にまとめています。

まとめ

AI実装検定は、ディープラーニングの実装力を3段階で認定する民間資格です。合格すると級に応じた「ディープラーニング実装師」の称号が付与され、受験資格の制限がないため、どの級からでも挑戦できます。

B級はAIの概要を7つの側面から問う30題40分の入門レベル、A級は数学・プログラミング・AIの3分野から60題60分、S級はフレームワークを使った実装問題50題60分という構成です。合格基準はいずれも正答率70%以上で、合格率は公表されていません。

難易度の目安はB級<G検定<A級<E資格<S級とされています。知名度の面ではG検定やE資格に及ばないものの、シラバスが公開されていて学習範囲が明確なこと、実装に軸を置いていることが、この資格を選ぶ理由になります。

受験を決めたら、まず公式サイトのサンプル問題を解いて自分の位置を確かめ、そこから級と学習計画を決める流れが確実です。資格取得と並行して手を動かす学習を組み合わせれば、試験対策がそのまま実務の基礎になります。

社内のAI人材育成や、育成と並行した開発体制づくりで迷っている場合は、現状の整理からご相談ください。

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この記事の監修者

石丸真平

石丸真平

NEXTSCALE コンサルタント / AI活用・業務効率化支援

NEXTSCALEのコンサルタントとして、生成AI活用、業務効率化、DX推進に関する支援を担当する想定のプロフィールエリアです。業務整理からツール選定、導入設計、社内定着までを一気通貫で支援する人物紹介として使用します。

ワイヤー段階では、監修者名、肩書き、プロフィール本文、関連リンク、著者導線がどのように入るかを確認できる構成にしています。実装時には実際のプロフィール文や外部リンク、SNSアカウント情報などに差し替える想定です。
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