Difyの使い方を解説 アプリの作り方・料金プラン・導入時の注意点まで

Difyは、プログラミングの知識がなくてもAIアプリを作れる開発プラットフォームです。画面上でブロックをつないでいく操作だけで、社内の問い合わせに答えるチャットボットや、手順のある業務を自動で進める仕組みを構築できます。

オープンソースとして公開されているため、クラウド版をすぐ使い始めることも、自社のサーバーに置いて運用することもできます。この選択肢の広さが、扱う情報に制約のある企業から選ばれている理由です。

この記事では、Difyの始め方から作れるアプリの種類、実際の作成手順、社内文書を答えさせる仕組み、業務の自動化、料金の考え方、そして導入時に押さえておきたい点までまとめます。

確認したいポイント結論詳細
Difyとはどのようなツールなのか?ノーコードのAIアプリ開発基盤画面上でブロックをつなぐ操作だけで、チャットボットや業務自動化の仕組みを作れる
どうやって使い始めればよいのか?クラウド版か自社構築の2択登録するだけで使えるクラウド版と、自社サーバーへ置くセルフホストから選ぶ
どのような種類のアプリが作れるのか?5つの型から選んで作るワークフローとチャットフローが中心で、ほかに簡易な3つの型が用意されている
最初は何から作ればよいのか?チャットボットから始めるアプリを作成し、指示文を書き、動作を確認して公開するという流れで完成する
社内の資料をもとに答えさせられるか?ナレッジ機能で対応できる文書を登録すると内容を検索して回答に反映するため、誤った案内を減らせる
手順のある業務も任せられるのか?ワークフローで組み立てられる条件で処理を分け、外部から情報を取得し、整形して返すまでを画面上で設計できる
料金はどうなっているのか?無料枠ありのプラン制クラウド版は無料から。自社構築なら本体は無料だが、サーバー代とAPI料金がかかる

この記事でわかること

  • Difyでできることと、クラウド版・自社構築それぞれの選び方
  • 5つのアプリタイプの違いと、用途に応じた使い分け
  • チャットボットを作って公開するまでの具体的な手順
  • 社内文書を回答に反映させる仕組みと、精度を上げるコツ
  • 料金プランの構成と、企業導入時に確認すべき情報の扱い
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目次

Difyとは

Difyは、米国のLangGenius社が開発するAIアプリ開発プラットフォームです。オープンソースとして公開されており、個人から自治体や大企業まで幅広く採用されています。

名称は「定義する」と「改良する」を組み合わせた造語とされています。指示文を定義し、動かしながら改善していくという考え方がそのまま設計に表れています。

2026年に入ってからも資金調達と機能追加が続いており、企業向けの機能が段階的に強化されています。

コードを書かずにAIアプリを作れる

通常、AIを使ったアプリを作るにはプログラムを書く必要があります。Difyでは処理のかたまりをブロックとして画面上に並べ、線でつなぐだけで動きを設計できます。

現場の課題を知っている担当者が、自分で仕組みを作れる点が大きな利点です。要望を伝えて開発を待つ工程が省けます。

コードを書ける場合は、途中にコードのブロックを挟んで細かい処理を差し込むこともできます。

▼ AIエージェントの基本的な考え方と業務での使いどころはこちらです。

複数のAIモデルを切り替えられる

特定のモデルに固定されていない点も特徴です。用途に応じて複数の提供元から選び、工程ごとに使い分けられます。

軽い処理には応答の速いモデル、複雑な判断が必要な工程には高性能なモデルという割り当てが可能です。料金と品質のつり合いを取りながら設計できます。

モデルの提供元が変わったり価格が改定されたりしても、設定を切り替えるだけで対応できます。特定の会社に縛られない構成を保てる点は、長く使ううえでの安心材料になります。

似た位置づけのツールとしてCozeが挙げられますが、Difyは自社構築を前提にした使い方に強みがあります。

▼ Cozeの特徴と導入の進め方は、こちらの記事で解説しています。

更新の速さと最近の動き

開発は活発に続いており、機能の追加が短い間隔で行われています。2026年に入ってからは、複数人での同時編集や、処理の途中に人の承認を挟む仕組みが加わりました。

AIが作成した内容を上司が確認してから送信するといった運用が組めるようになり、業務への組み込みやすさが上がっています。

外部サービスと接続する共通規格にも対応しました。Difyで作ったアプリを他のツールから呼び出す構成も取れます。

▼ MCPの仕組みと業務での活用方法は、こちらの記事で解説しています。

Difyを使い始める2つの方法

始め方は2通りあります。どちらを選ぶかで、費用も運用の手間も変わるため最初に決めておく必要があります。

クラウド版で始める

公式サイトから登録するだけで、すぐに使い始められます。GitHubやGoogleのアカウントでサインインでき、環境を用意する必要がありません。

無料の枠が用意されているため、何が作れるかを確かめる段階ではこちらが向いています。作ったものは後から自社構築へ移すこともできます。

自分でAIモデルの利用契約を持っている場合は、その情報を登録して使えます。この場合、Dify側の利用量は消費されない仕組みです。

注意したいのは、データが海外のサーバーに保存される点です。扱う情報によっては、この時点で選択肢から外れることがあります。

自社サーバーに置いて使う

オープンソース版を使えば、自社の環境で完結させられます。社外へ出せない情報を扱う業務では、この方式が前提になります。

構築にはDockerという仕組みを使います。手順自体は整備されていますが、更新や障害への対応は自社で担うことになります。

外部から接続できる場所に置く場合は、登録機能の制限やネットワークの設定など、公開範囲を絞る対応が求められます。社内からのみ使える構成にするのが基本です。

本体の利用料はかかりませんが、サーバーの費用とAIモデルの利用料は別途必要です。無料という言葉だけで判断しないよう注意してください。

どちらを選ぶかの判断

検証の段階はクラウド版、本番は自社構築という進め方が現実的です。作りたいものが固まる前から自社構築に踏み込むと、運用の手間だけが先に発生します。

社内に管理できる担当者がいない場合は、無理に自社構築を選ばないほうが安全です。放置されたまま更新が止まる状態が最も危険になります。

クラウド版で作ったアプリは書き出して取り込めるため、後から移す判断もできます。最初の選択に時間をかけすぎる必要はありません。

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作れるアプリの種類と選び方

Difyでは5つの型からアプリの形式を選びます。どれを選ぶかで作りやすさが変わるため、目的に合ったものを選ぶことが最初の分かれ道です。

(出典:Dify 公式ドキュメント「主要な概念」)

ワークフローとチャットフロー

公式が推奨しているのがこの2つです。ワークフローは1回で完結する処理、チャットフローは会話しながら進める処理に対応します。

どちらも画面上でブロックをつないで設計する形式で、条件による分岐や外部からの情報取得を細かく組み込めます。作り込みたい場合はこちらを選びます。

他の型も内部では同じ仕組みの上で動いており、この2つが土台になっていると考えると理解しやすくなります。

チャットフローは会話のたびに処理が動く形式で、質問の内容によって参照する資料を変えるといった設計ができます。

チャットボット

対話形式で応答するアプリを、最も少ない手数で作れる型です。指示文を書くだけで動くため、初めて触る場合の入口として向いています。

社内の問い合わせ対応やFAQの窓口といった用途であれば、この型で十分に成り立ちます。

会話の履歴を踏まえて応答するため、前のやり取りを前提にした質問にも対応できます。

テキストジェネレーターとエージェント

テキストジェネレーターは、単発の文章生成に特化した型です。入力項目を自分で決められるため、決まった形の文書を量産する用途に向きます。

エージェントは、検索や画像生成といった外部のツールを組み合わせて動く型です。複数のサービスをまたいだ処理を任せたい場合に選びます。

迷ったときは、会話が必要ならチャットボット、決まった手順があるならワークフローという分け方から始めると失敗しにくくなります。

名称にエージェントとありますが、自律的に判断して動く仕組みを作りたい場合はチャットフローを選ぶほうが目的に合います。

基本的な使い方の手順

最初の1つは、チャットボットから作るのが分かりやすい進め方です。ここでは公開までの流れを追います。

アプリを作成する

管理画面から新規作成を選び、型としてチャットボットを指定します。名前と用途を入力すると、編集画面が開きます。

この段階では中身が空の状態です。何をするアプリなのかを自分の中で決めてから進めると、後の設定に迷いません。

どの型を選ぶかは後から変更できません。迷った場合は、簡単な型で試作してから作り直すほうが早く進みます。

モデルと指示文を設定する

使うAIモデルを選び、どう振る舞ってほしいかを指示文として書きます。誰に向けて、どこまで答えるのかを具体的に書くほど、出力は安定します。

答えてはいけない内容や、分からないときの対応も併せて書いておいてください。想定外の回答を減らす効果があります。

自分でモデルの利用契約を用意する場合は、設定画面から接続の情報を登録します。ここを済ませないと動作しません。

動作を確認する

編集画面の右側で、その場で会話を試せます。想定される質問をいくつか投げ、意図した答えが返るかを確認してください。

答えがずれる場合は、指示文の書き方に原因があることがほとんどです。全体を書き直すより、足りない条件を1つずつ足していくほうが原因を切り分けられます。

実際に使う人が投げそうな聞き方でも試してください。作った本人の言い回しだけで確認すると、公開後に想定外の質問で崩れます。

公開して共有する

確認が済んだら公開します。専用のURLで配布する方法のほか、自社サイトへ埋め込む方法や、外部のシステムから呼び出す方法が用意されています。

公開後も編集は続けられるため、まず出してから改善していく進め方で問題ありません。

▼ チャットボット導入の進め方と失敗しやすい点は、こちらをご覧ください。

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社内文書をもとに答えさせる

Difyが業務で評価されている理由の1つが、自社の情報を回答に反映できる点です。ナレッジと呼ばれる機能で実現します。

文書を登録する

社内マニュアルや商品資料をアップロードすると、その内容が検索できる状態になります。PDFやテキストのほか、Webページを指定して取り込むこともできます。

登録した文書は、質問の内容に応じて必要な箇所だけが取り出され、回答に使われます。学習させているわけではないため、後から差し替えることも可能です。

文書を細かく区切る単位も設定できます。長い資料を1つのまとまりとして扱うと必要な部分を取り出しにくくなるため、適度な長さに分けておくと精度が上がります。

回答の精度を上げるコツ

登録する文書は、対象の業務に絞ったほうが精度は安定します。関係の薄い資料が混ざると、的外れな箇所を引用しやすくなるためです。

文書の構造も結果に影響します。見出しが整理されている資料ほど、必要な部分を取り出しやすくなります。

元の資料に書かれていないことは答えない、という指示を加えておくと、誤った案内が出る場面を減らせます。

▼ 社内文書をもとにAIが回答するRAGの仕組みは、こちらで詳しく解説しています。

更新の担当を決めておく

登録した資料が古いままだと、誤った案内につながります。誰がいつ更新するのかを、公開前に決めておく必要があります。

元の資料を更新したら登録し直すという流れを、既存の業務手順に組み込んでおくと形骸化を防げます。

利用者から誤った回答の報告を受け取る窓口も用意しておいてください。改善の材料が集まらないと、精度は上がりません。

ワークフローで業務を自動化する

手順のある業務は、ワークフローとして組むと自動で流せます。対話ではなく、処理そのものを任せたい場合に使う形式です。

組み立て方の基本

開始のブロックから始まり、処理のブロックを並べて終了へつなぎます。入力を受け取り、条件で分岐し、外部から情報を取得し、整形して返すという流れを画面上で設計します。

組んだ流れはブロックごとに動作を確認できるため、どこで意図と違う結果になっているかを切り分けやすくなっています。

最初から複雑な流れを組もうとせず、2つか3つのブロックで動くものを作ってから足していくほうが完成に近づきます。

代表的な使い道

問い合わせの内容を分類して担当部署へ振り分ける処理は、よく作られる例です。判断が必要な部分をAIに任せ、振り分け自体は自動で流せます。

定型レポートの下書き作成や、複数の資料から必要な情報を抜き出す処理にも向きます。決まった手順を流すだけの自動化では難しかった領域です。

▼ 業務フローの自動化を進める手順は、こちらの記事にまとめています。

人の確認を挟む

処理の途中に、人が承認してから次へ進むという地点を置けます。AIが作った文面を担当者が確認してから送信するといった運用が組めます。

全自動にすると不安が残る業務でも、この仕組みがあれば導入しやすくなります。まず確認を挟む形で始め、精度が確かめられてから外していく進め方が安全です。

承認の記録が残る点も利点です。誰がいつ確認したかを追える状態にしておくと、社内での説明もしやすくなります。

料金プランと費用の考え方

費用は、Dify自体の料金とAIモデルの利用料に分かれます。この2つを分けて考えないと、見積もりが大きくずれます。

クラウド版のプラン

無料のプランが用意されており、作れるアプリの数や利用量に上限があります。機能自体はひととおり試せるため、検証には十分な内容です。

個人や小規模での本番運用に向けたプランと、複数人での利用を想定したプランが上位に用意されています。人数、アプリ数、保存できる容量が段階的に増える構成です。

組織全体で使う場合や、細かい権限管理が必要な場合は問い合わせによる契約になります。

無料枠の利用量は補充されない形式のため、検証を重ねると早い段階で使い切ります。本格的に試すなら自分の契約したモデルを接続する方法が現実的です。

自社構築の場合の費用

オープンソース版そのものに利用料はかかりません。かかるのはサーバーの費用とAIモデルの利用料だけです。

利用量が多いほど、クラウド版より費用を抑えやすくなります。一方で構築と運用の手間が発生するため、人件費を含めて比較する必要があります。

自社の会員向けにサービスとして提供する場合など、用途によっては別途の契約が必要になることがあります。事業として使うなら、ライセンスの条件を確認してから進めてください。

モデルの利用料を見込む

見落としやすいのが、AIモデルの利用料です。Difyは画面と仕組みを提供する側であり、実際の処理は外部のモデルが行います。

利用者が増えるほど、この費用は増えていきます。毎回AIに考えさせる必要がない処理は、あらかじめ用意した文章を返す形に切り替えると抑えられます。

月あたりの想定利用回数を先に決めておくと、費用の見通しが立てやすくなります。想定を超えた場合の対応も、あわせて決めておいてください。

企業が導入する際の注意点

業務へ組み込む段階では、技術面より情報の扱いと体制の整備が課題になります。先に決めておくべき点を挙げます。

データの置き場所を確認する

クラウド版を使う場合、データは海外のサーバーに保存されます。個人情報や機密性の高い資料を扱うのであれば、自社構築を選ぶ判断が必要になります。

個人情報保護委員会は、生成AIへ個人情報を含む内容を入力する際の注意点を公表しています。利用目的の範囲内かどうかの確認や、本人の同意が必要となる場面の整理が求められています。

(出典:個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」)

登録してよい文書の基準を一覧にして共有しておくと、担当者ごとの判断のばらつきを防げます。

▼ 生成AIを安全に社内利用するためのセキュリティ対策はこちらです。

小さく始めて広げる

最初から全社の問い合わせ対応を任せようとすると、準備する資料が多くなり動き出せません。特定の部署の限られた質問に答える仕組みから始めるほうが結果が出ます。

対象を絞ると精度も上がりやすく、効果を数字で示しやすくなります。社内へ広げるための説得材料としても使えます。

うまくいった構成は、他の部署へそのまま横展開できます。ゼロから作り直すより早く広がります。

問い合わせの件数や対応にかかっていた時間を、導入の前後で記録しておくと効果を説明しやすくなります。

保守できる体制を作る

作った人が異動すると、そのまま放置される仕組みは珍しくありません。資料の更新と動作確認を誰が行うかを、公開前に決めておく必要があります。

設計の意図や、なぜその指示文にしたのかを残しておくと、担当が代わっても手を入れられます。更新の速いツールでは、記録の有無が保守のしやすさを左右します。

▼ 法人向けの生成AI研修の内容と選び方は、こちらで解説しています。

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まとめ

Difyは、コードを書かずにAIアプリを作れる開発プラットフォームです。ブロックをつないで設計する形式で、チャットボットから業務の自動化まで幅広く対応できます。

始め方は、登録するだけで使えるクラウド版と、自社サーバーに置く方式の2つです。検証はクラウド版で進め、扱う情報が固まってから自社構築を検討する流れが無理のない進め方になります。

作れるアプリは5つの型に分かれます。会話が必要ならチャットボット、決まった手順があるならワークフローという分け方から始めると、選択で迷いにくくなります。

導入で最も重要なのは、データの置き場所と保守の体制です。登録してよい文書の基準を決め、更新と動作確認の担当を置いたうえで、小さな業務から広げていくことが定着につながります。

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この記事の監修者

石丸真平

石丸真平

NEXTSCALE コンサルタント / AI活用・業務効率化支援

NEXTSCALEのコンサルタントとして、生成AI活用、業務効率化、DX推進に関する支援を担当する想定のプロフィールエリアです。業務整理からツール選定、導入設計、社内定着までを一気通貫で支援する人物紹介として使用します。

ワイヤー段階では、監修者名、肩書き、プロフィール本文、関連リンク、著者導線がどのように入るかを確認できる構成にしています。実装時には実際のプロフィール文や外部リンク、SNSアカウント情報などに差し替える想定です。
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