n8nの料金プランを比較 無料で使う方法と実行回数から選ぶ判断基準

業務の自動化ツールとしてn8nを検討したものの、結局いくらかかるのか分からないまま検討が止まっている。そうした声は情報システム担当者からよく聞かれます。

n8nの料金がつかみにくいのは、クラウド版とセルフホスト版で費用の発生の仕方がまったく違うためです。加えて課金の単位も、ほかの自動化ツールとは異なる考え方を採っています。

本記事では、料金体系の全体像から各プランの金額、無料で使う方法、必要な実行回数の見積もり方までを順に整理しました。読み終えたときに自社に合うプランの見当がつく構成にしています。

確認したいポイント結論詳細
n8nの料金はどう決まる?月間の実行回数で決まるクラウド版は実行回数に応じた月額制で、ユーザー数やワークフロー数は課金に影響しません。
実行回数はどう数える?1回動けば1カウントステップ数やデータ量に関係なく、ワークフローが最初から最後まで動けば1実行と数えます。
クラウド版はいくらかかる?年払いで月20ユーロからStarterが月2,500実行、Proが月10,000実行で、上位ほど同時実行数や保持期間が増えます。
無料で使う方法はある?自己構築版と無料トライアルGitHubで公開されているCommunity Editionと、クラウド版の無料トライアルの2通りです。
セルフホストは本当に無料?サーバー代と工数が必要ライセンス費用はかかりませんが、構築と保守を担える人員の確保が前提の選択肢になります。
ほかのツールと比べて安い?処理が複雑なほど有利ステップ単位で課金する方式と違い、工程数が増えても1回の実行分しか消費しません。
必要な実行回数の見積もり方は?用途ごとに頻度を積み上げる定期実行は月の回数、Webhookはイベント発生数を数えて合計する手順が公式に示されています。
プラン選びの注意点は?超過とサポート範囲を確認上位プランでは超過時に追加請求が発生し、専任サポートは最上位プランに限られています。

この記事でわかること

  • n8nの料金がどの要素で決まるのか、費用構造の全体像
  • 実行回数ベースの課金が、ほかの自動化ツールと何が違うのか
  • クラウド版の各プランの金額と、含まれる機能の差
  • 無料で使う2つの方法と、セルフホストにかかる実質的なコスト
  • 自社に必要な実行回数を見積もり、プランを選ぶまでの手順
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目次

n8nの料金体系|クラウド版とセルフホスト版の2本立て

n8nはドイツのn8n GmbHが開発しているワークフロー自動化ツールです。提供の形が2つあり、それぞれ費用の発生の仕方が根本から異なります。

1つは公式が運営するクラウド版で、月額を支払えばサーバーの用意は不要です。もう1つは自社のサーバーに導入するセルフホスト版で、ライセンス費用がかからない代わりにインフラと運用の負担が発生します

どちらを選ぶかは、費用の絶対額ではなく社内の体制で決まります。サーバーを扱える人がいるかどうかが、実質的な分岐点になると考えて差し支えありません。

クラウド版は実行回数に応じた月額制

クラウド版は、月間で何回ワークフローを動かすかによってプランが分かれます。サーバーの管理はn8n側が担うため、導入した日から自動化の設計に集中できます。

公式サイトの案内では、すべてのプランでユーザー数とワークフロー数が無制限とされています。連携できるサービスもプランによる制限がなく、課金に影響するのは実行回数だけという整理です。

課金の対象が実行回数だけという構造は、社内で使う人数が増えても費用が変わらないことを意味します。利用者を絞らずに展開できる点は、社内展開を考えるうえで扱いやすい特徴です。

セルフホスト版はライセンス無料の選択肢

セルフホスト版の中心となるのがCommunity Editionです。GitHubで公開されており、自社のサーバーに導入すれば費用をかけずに使い始められます。

ただし無料なのはソフトウェアの部分だけです。サーバー費用と、構築・監視・更新にかかる人の時間は別途発生するという点を、判断の前に押さえておく必要があります。

組織向けの機能が必要な場合は、セルフホストのまま有料プランへ切り替える方法もあります。ライセンスキーを適用する形で、シングルサインオンなどの機能が使えるようになります。

データの保管場所も判断材料になる

クラウド版を使う場合、データはEU圏内のサーバーで扱われると案内されています。国内にデータを置く必要がある業種では、この点が選択を左右します。

セルフホスト版であれば、置き場所は自社の判断で決められます。取り扱う情報の機密性が高い場合、こちらを選ぶ理由になります。

課金の単位は「実行回数」|ほかのツールとの違い

n8nの料金を理解するうえで最も重要なのが、実行回数という考え方です。ワークフローが最初から最後まで1回動けば、それで1実行と数えます。

ステップ数は課金に影響しない

公式の説明によると、ワークフローに含まれるステップの数や処理するデータの量は実行回数に影響しません。2つの工程で構成されたものも、50の工程を含むものも、動けば同じ1実行です。

この方式は、処理の分岐や条件判定が多い業務ほど有利に働きます。工程を細かく作り込んでも費用が増えないため、設計の自由度を保ったまま運用できます。

ループ処理を含む場合も同様です。繰り返しの回数が多くても、ワークフローとして1回動いたのであれば消費は1実行にとどまります。

ステップ課金型のツールとの差

多くの自動化ツールは、1つの工程が動くたびに課金対象として数えます。5つの工程を含む処理を1回動かせば、5回分として計上される仕組みです。

同じ業務でも、工程が増えるほど費用の差が開いていく構造になっています。単純な通知だけなら差は小さく、業務ロジックが複雑になるほどn8nの方式が効いてきます。

移行を検討する際は、この差がそのまま削減額になるとは限らない点にも注意します。現在のツールで何工程を動かしているかを数え、n8nに置き換えた場合の実行回数と比べる作業が必要です。

実行回数以外にかかる費用もある

見落としやすいのが外部サービスの利用料です。ワークフローの中で生成AIのAPIや有料の外部サービスを呼び出せば、その分は別途請求されます。

n8nの月額だけで総額が決まるわけではありません。連携先の費用まで含めて試算しないと、想定と実際の請求額がずれる原因になります。

クラウド版の料金プランと含まれる機能

クラウド版の料金は公式サイトで公開されています。ここでは2026年8月時点の内容をもとに、プランごとの違いを整理します。

プランごとの月額と実行回数

  • Starter:年払いで月20ユーロ、月2,500実行
  • Pro:年払いで月50ユーロ、月10,000実行
  • Business:年払いで月667ユーロ、月40,000実行(セルフホスト向け)
  • Enterprise:実行回数を含め条件は問い合わせて決定

表示されている金額は年払いを選んだ場合のものです。月払いも選べますが、年払いにすると約17%安くなる案内が出ているため、継続利用が前提なら年払いが有利になります。

金額はユーロで表示されています。為替の動きによって円換算の負担は変わるため、年間の予算を組む際は多少の余裕を見ておくと安心です。

上位プランで増えるもの

同時に動かせる実行の数は、Starterが5、Proが20、Enterpriseが200以上と設定されています。処理が集中する時間帯がある業務では、この数値が詰まりの原因になります。

実行の履歴をどこまで残せるかも変わります。ログの保持期間はStarterが7日、Proが30日で、保存できる実行数と容量も上位ほど大きくなります。

Proでは実行履歴の検索やワークフローの履歴管理が使えます。障害が起きたときに原因を追う手段が増えるため、本番運用ではここが判断の分かれ目になります。

AIアシスタント用のクレジット

ワークフローの作成を補助するAIアシスタントには、専用のクレジットが割り当てられています。Starterでは月2,300、Proでは最大13,700が含まれると案内されています。

無料トライアルにも800クレジットが付きますが、期間が終わると失効します。消費量は作ろうとしている処理の規模によって変わるため、使い方によって減り方に差が出ます。

注意したいのは繰り越しと追加購入の扱いです。残ったクレジットは翌月に持ち越せず、単体での買い足しもできないとされているため、頻繁に足りなくなる場合は上位プランへの変更が選択肢になります。

Businessプラン以上の位置づけ

Businessはセルフホストでの利用を前提としたプランです。シングルサインオンやGitによるバージョン管理、開発環境と本番環境の分離といった、組織で使うための機能が加わります。

価格差が大きいため、実行回数を増やす目的では選びにくい構成です。統制の仕組みに対して払うプランと捉えると、判断の基準がはっきりします。

専任のサポートが付くのはEnterpriseのみとされています。Businessまではフォーラムでの情報交換が中心になるため、社内で対応できる体制が前提です。

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無料で使う2つの方法|Community Editionと無料トライアル

n8nは無料で試せる手段が2通り用意されています。目的が検証なのか本番運用なのかで、選ぶべき方法が変わります。

Community Editionを自社サーバーに導入する

GitHubで公開されている標準版を、自社のサーバーやVPSに導入する方法です。実行回数の上限がなく、連携できるサービスにも制限がありません。

個人での利用や、社内の小規模な自動化であればこの形で十分に足ります。上位プランの機能を使わないなら、実質的な費用はサーバー代だけになります。

ただし組織向けの機能は含まれません。シングルサインオンや権限の細かな設定、専任サポートといった要素が必要になった時点で、有料プランへの切り替えを検討することになります。

クラウド版の無料トライアルを使う

StarterとProには無料トライアルが用意されており、クレジットカードの登録なしで開始できます。まず操作感を確かめたい段階に向いた方法です。

トライアル中はPro相当の機能まで試せると案内されています。Businessプランのトライアルについては、クレジットカードの登録が必要とされています。

トライアルの期間中に、実際の業務を1つ自動化してみることをおすすめします。触っただけでは分からない連携先の癖や設定の手間が、この段階で見えてきます。

どちらから始めるべきか

サーバーの構築に対応できる人がいるなら、Community Editionから始めるほうが判断材料は多く得られます。制限を気にせず本番に近い形で試せるためです。

インフラを扱える人がいない場合は、クラウド版のトライアルが現実的です。自動化の設計そのものはどちらでも共通のため、作ったワークフローは後から移せます。

セルフホストにかかる実質コスト

セルフホスト版を「無料」と捉えると、導入後に想定外の負担が生じます。費用が消えるのではなく、金額から人の時間に置き換わると考えるほうが実態に近くなります。

サーバーの費用

小規模な用途であれば、月額数千円程度のVPSでも動かせます。処理量が増えたり、複数のワークフローを同時に動かしたりする場合は、より上の構成が必要になります。

データベースやバックアップの領域も別途必要です。本番として使うなら、障害時に復旧できる構成まで含めて見積もります。

自分のパソコンで動かす方法もありますが、本番運用には向きません。電源を切ればワークフローも止まるため、定期実行を前提とする用途では常時稼働するサーバーが必要になります。

構築と運用にかかる工数

導入そのものは手順に沿えば進みますが、その後の更新や監視が継続的に発生します。バージョンアップの追従を怠ると、連携先の仕様変更で動かなくなる場面が出てきます。

担当者が1人に依存する状態も避けたいところです。設定と手順を文書化し、複数人で見られる状態にするところまでが運用の範囲になります。

障害が起きたときの復旧手順も、あらかじめ決めて試しておきます。動かなくなってから調べ始めると、業務が止まっている時間がそのまま損失として積み上がります。

どちらが安く済むかの分かれ目

実行回数が非常に多い場合は、セルフホストのほうが総額を抑えられます。クラウド版は実行回数に応じて費用が上がるためです。

一方で、運用に割ける人がいない組織ではクラウド版が結果的に安く付きます。人件費を含めて比べると、月額の差が逆転するケースは珍しくありません。

導入費用の一部については、中小企業基盤整備機構「デジタル化・AI導入補助金」のような公的な支援制度が使える場合もあります。補助の対象は事前に登録されたITツールに限られるため、公式サイトで対象を確認してください。

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Zapier・Makeとの料金比較の考え方

競合ツールとの比較は、金額表を並べても判断できません。自社の業務がどれだけの工程を含むかによって、有利なツールが変わるためです。

単純な連携なら差は小さい

フォームの送信をチャットへ通知するといった2工程程度の処理であれば、どのツールでも費用は近い水準になります。この段階では操作性や連携先の数で選ぶほうが合理的です。

むしろ月額の下限だけを見ると、他社のほうが安く見える場合もあります。少量の連携から始めるなら、無理にn8nを選ぶ必要はありません。

工程が増えるほど差が開く

条件分岐やデータの加工、複数サービスへの書き込みを含む処理になると、状況が変わります。ステップ単位で課金するツールでは、1回動かすたびに数倍の消費が発生します。

n8nは工程数にかかわらず1実行です。業務ロジックが複雑になるほど費用対効果が高まるという構造が、比較の軸になります。

乗り換えのときに見落としやすい点

既存のツールで作った処理は、そのままn8nへ移せるわけではありません。設計をやり直す時間が発生するため、移行の工数も比較の材料に含めます。

連携できるサービスの範囲も確認します。使いたいサービスに対応していなければ、費用の比較そのものが意味を持ちません。標準で対応がない場合は、APIを直接呼び出す形で組む前提になります。

比較は具体的な業務で行う

自動化したい業務を1つ選び、それぞれのツールで何回分の課金が発生するかを計算します。抽象的な比較より、実際の業務に当てはめるほうが判断を誤りません。

生成AIを組み込む場合は、AIの利用料も比較に含めます。ツール選定の前提として、無料で使えるAIチャットの選び方をまとめた記事も参考にしてください。

必要な実行回数を見積もる手順

プラン選びで迷う原因の多くは、必要な実行回数が分からないことにあります。用途ごとに頻度を数えて足し上げる手順を踏めば、目安は短時間で出せます。

定期実行のワークフローを数える

決まった時刻に動かす処理は、月に何回動くかで計算します。1日1回なら月に30回程度、5分ごとに動かす設定なら月に8,600回から8,900回程度に達します。

実行間隔を少し広げるだけで、必要なプランが変わることもあります。本当に5分ごとの更新が必要なのかを、設計の段階で見直す価値があります。

テスト中の実行が本番の回数に含まれるかどうかも確認しておきます。開発段階で何度も動かす前提であれば、その分の余裕を見込んで計算する必要があります。

イベント起点のワークフローを数える

フォームの送信やチャットの投稿をきっかけに動く処理は、そのできごとが1日に何回起きるかを数えます。その数がそのまま1日の実行回数になります。

問い合わせ対応をチャットで自動化する場合は、想定される会話数に1件あたりのやりとり回数を掛けて算出します。会話が長引くほど消費が増える点に注意が必要です。

見積もりが難しい場合の進め方

使い始める前に正確な数を出すのは困難です。まず下位のプランで1か月から2か月運用し、管理画面で実際の実行回数を確認してから調整する進め方が現実的です。

最初から上位プランを年払いで契約すると、使い切れないまま費用だけが発生します。実測してから増やす順序を守ることが、無駄を防ぐいちばんの方法です。

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プラン選びで失敗しないための注意点

料金表を見るだけでは気づきにくい条件がいくつかあります。契約前に確認しておくと、後から想定外の費用が出る事態を避けられます。

超過したときの扱いを確認する

上位プランでは、実行回数が上限を超えても処理が止まらない代わりに、追加の請求が発生する場合があります。超過分の単価は決して小さくありません。

上限に近づいた段階で連絡が来る仕組みも用意されています。放置せず、その時点でプランを見直すか処理の頻度を調整する判断が必要です。

処理が失敗して再試行が走る場合の扱いにも注意します。エラーで止まった処理を作り直して動かせば、その分も回数として積み上がっていきます。

サポートの範囲を把握する

専任のサポートが付くのは最上位のプランに限られます。それ以外はコミュニティのフォーラムが中心となるため、社内で切り分けができる体制が前提になります。

業務が止まったときに誰が対応するのかを決めておきます。障害時の一次対応を担う人を明確にするところまでが、導入の準備に含まれます。

導入直後は想定より問い合わせが増えます。社内の誰に聞けばよいのかを最初に共有しておくと、担当者へ質問が集中する状態を避けられます。

年払いと機能の要否を切り分ける

年払いは割安ですが、途中での解約時に返金がない条件が一般的です。使い方が固まっていない段階では、月払いで様子を見るほうが損失を抑えられます。

上位プランにしかない機能が本当に必要かも見直します。シングルサインオンや環境の分離は、組織の規模によっては当面不要な場合があります。

扱うデータの範囲を決めておく

ワークフローには顧客情報や取引データが流れます。どの情報を外部サービスへ渡してよいのかを決めないまま組み始めると、後から作り直しが必要になります。

接続に使う認証情報の管理も課題になります。誰がどのサービスの権限を持つのかを一覧にしておくと、担当が変わったときの棚卸しがすぐに終わります。

整備の手順については、生成AIの社内ガイドライン策定について解説した記事で詳しく扱っています。

まとめ

n8nの料金は、月間の実行回数によって決まります。ワークフローが1回動けば1実行と数えるため、工程が多く複雑な処理ほど費用対効果が高くなる構造です。

クラウド版は年払いで月20ユーロのStarterから用意され、上位ほど実行回数と同時実行数、履歴の保持期間が広がります。セルフホスト版はライセンスが無料な一方、サーバー費用と運用工数が発生します。

選ぶ順序は、用途ごとに実行回数を見積もり、下位のプランで実測してから調整する形が確実です。金額表ではなく自社の業務量から逆算することが、無駄のない導入につながります。

最新の金額と条件は改定されることがあるため、契約前にn8n公式の料金ページで確認してください。

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この記事の監修者

石丸真平

石丸真平

NEXTSCALE コンサルタント / AI活用・業務効率化支援

NEXTSCALEのコンサルタントとして、生成AI活用、業務効率化、DX推進に関する支援を担当する想定のプロフィールエリアです。業務整理からツール選定、導入設計、社内定着までを一気通貫で支援する人物紹介として使用します。

ワイヤー段階では、監修者名、肩書き、プロフィール本文、関連リンク、著者導線がどのように入るかを確認できる構成にしています。実装時には実際のプロフィール文や外部リンク、SNSアカウント情報などに差し替える想定です。
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