生成AI活用事例15選 種類別の使い方と全社展開した企業の進め方を解説
2026年8月20日
著者:NEXT SCALE編集部
監修者:石丸真平

生成AIの事例を探すと、個人の作業効率化の話と、企業の全社的な取り組みが混在して出てきます。参考にすべきなのは後者ですが、両者は必要な準備も体制もまったく異なります。
また、生成AIは文章だけの技術ではありません。画像、動画、音声、コードまで対象が広がっており、どの種類を使うかで適用できる業務が変わります。この整理をしないまま事例を眺めても、自社への転用先は見えてきません。
本記事では、生成AIの種類別に15の企業事例を整理します。あわせて、全社展開まで到達した企業の進め方と、生成AI特有のリスクへの対策を解説します。
| 確認したいポイント | 結論 | 詳細 |
| 生成AIはどこまで使える? | 文章・画像・音声・コードまで | テキスト生成が中心ですが、クリエイティブ制作や開発支援まで適用範囲が広がっています。 |
| 市場はどのくらい伸びている? | 2030年に3,561億ドル規模へ | 世界の生成AI市場は2024年の361億ドルから、AI市場全体の4割超まで拡大する見通しです。 |
| 全社展開した企業の共通点は? | 利用ルールを先に整えている | 許可なく個人利用が広がる状態を防ぐため、公式の環境とルールを同時に用意しています。 |
| 生成AI特有のリスクは? | 誤生成・無断利用・権利関係 | 事実と異なる出力、社員の私的利用による情報流出、生成物の権利確認が主な論点です。 |
この記事でわかること
- テキスト・画像・音声・コードという種類別に整理した15の企業活用事例
- 生成AI市場の規模と、国内企業の活用がどの段階にあるかを示す公的データ
- 全社展開まで到達した企業が、どの順序で環境とルールを整えたか
- 誤生成・私的利用・権利関係という生成AI特有の3つのリスクと具体的な対策
- 自社で活用を始めるための4つのステップと、最初に選ぶべき業務の条件
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生成AI活用事例を見る前に押さえたい前提
事例を読む前に、対象範囲と国内の現在地を確認します。生成AIと従来のAIを混同したまま事例を探すと、必要な準備を見誤ります。
ここでは、両者の違い、市場の規模、そして国内企業の活用段階を整理します。
生成AIと従来のAIは適用できる業務が違う
従来のAIが得意とするのは、過去のデータから傾向を読み取って予測や判定を行うことです。需要予測、外観検査、異常検知といった用途が該当します。
対して生成AIは、文章、画像、音声、動画、コードといった新しい内容を作り出す技術です。要約、翻訳、下書き作成、デザイン案の生成などが得意分野になります。
この違いは、必要なデータにも表れます。従来のAIは学習用のデータを大量に集める必要がある一方、生成AIは既存の文書資産をそのまま参照させる構成で始められます。着手のハードルが低い理由はここにあります。
市場は2030年に3,561億ドル規模へ
総務省の「令和7年版 情報通信白書」によると、世界の生成AI市場は2023年の205億ドルから、2024年には361億ドル(AI市場全体の19.6%)へ拡大しました。
さらに2030年には3,561億ドル、AI市場全体の43.1%まで伸びると予測されています。AI市場のなかで生成AIが占める割合が、2倍以上に高まる見通しです。
同白書では、企業での用途としてプログラミング、文章の要約、マーケティング、カスタマーサポート、イラストやポスター作成が挙げられています。これまでは人手不足対策や業務効率化が中心でしたが、今後は新たなサービス創出を目指した活用も進むとみられています。
出典:総務省「令和7年版 情報通信白書」市場概況 https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/html/nd219100.html
国内企業の活用はまだ文書業務が中心
一方で、国内の活用段階は先行しているとはいえません。同白書では、日本企業で最も利用率が高い業務は「メールや議事録、資料作成等の補助」で32.1%でした。米国は75.0%、中国は78.0%です。
また、生成AIの活用方針を定めている日本企業の割合は49.7%で、米国の84.8%、中国の92.8%と比べて低い水準にとどまっています。
基本的な文書業務でさえ活用が広がりきっていないという現状は、裏を返せば差別化の余地が残っているということでもあります。事例を読む際は、大がかりな取り組みより身近な業務への適用に着目するほうが実践的です。
【テキスト生成】の活用事例5選
最も導入が進んでいるのがテキスト生成の領域です。既存の文書をそのまま活用でき、成果も測りやすいため、最初の一歩として選ばれています。
ここでは、企業で実際に使われている5つの事例を紹介します。
事例1:社内ナレッジの横断検索
社内に蓄積されたマニュアル、規程、過去の提案書は、量が増えるほど検索性が落ちます。質問に対して関連文書を検索し、その内容をもとに回答を生成する仕組みが広く導入されています。
製造業では、過去の図面を検索する用途での活用が報告されています。日本特殊陶業では、生成AIとベクトル検索を組み合わせた類似図面検索システムを開発したと公表されています。
属人化していた検索の勘所が標準化され、経験の浅い社員でも蓄積されたナレッジにアクセスできるようになった点が効果として挙げられています。
事例2:議事録の要約と決定事項の抽出
会議音声の文字起こしから、要点、決定事項、担当タスクまでを自動で抽出します。削減できる工数を数値で示しやすいため、投資判断が通りやすい領域です。
会議1件あたりの議事録作成時間に、月間の会議数を掛ければ効果が試算できます。オンライン会議のように音声が明瞭な環境では、実用水準の精度に達しています。
副次的な効果として、これまで議事録が残っていなかった打ち合わせも記録されるようになります。情報共有の質そのものが上がる点も見逃せません。
事例3:提案書・企画書のドラフト作成
過去の提案書や商品資料を読み込ませ、顧客情報を入力すると構成案とドラフトが生成される仕組みです。ゼロから書く時間より、書き出しに悩む時間のほうが長い業務では効果が大きく出ます。
作成時間の短縮に加え、経験の浅い担当者でも一定水準の資料を作れるようになります。修正は人が行う前提の運用が一般的です。
過去の優れた提案が再利用される点も価値です。従来は担当者の個人フォルダに眠っていた資産が、組織で使える形になります。
事例4:問い合わせ対応の下書き生成
顧客からの問い合わせに対し、過去の対応履歴とFAQをもとに返信文の下書きを生成します。担当者は内容を確認して調整するところから作業を始められます。
チャットボットのように顧客へ直接応答するのではなく、担当者を支援する構成である点が特徴です。誤った内容が顧客に届くリスクを抑えながら、対応速度を上げられます。
コールセンターでは、通話内容をリアルタイムでテキスト化し、関連する回答候補を画面に表示する使い方もあります。AIが対応を代替するのではなく、人の判断を支える構成です。
事例5:契約書レビューの論点抽出
契約書の内容を確認し、必要な条項の有無や自社基準との差異を提示します。法務担当者が全文を読む前に論点を絞り込めるため、確認工数が削減されます。
秘密保持条項、支払い条件、契約期間といった重要項目の確認が中心です。件数が多い企業ほど、削減効果は大きくなります。
ただし、契約内容は誤りの影響が大きい領域です。AIの出力を確定判断に使わず、確認の優先順位づけに限定する運用が前提になります。
関連記事:製造業のAI活用事例|技能継承と間接業務での使いどころと進め方【2026年】
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【画像・動画・音声生成】の活用事例4選
テキスト以外の領域でも活用が進んでいます。制作コストと時間を大きく削減できる一方、権利関係の確認が必要になる領域でもあります。
ここでは、4つの事例を紹介します。
事例6:広告クリエイティブのバリエーション生成
同じ商材に対して、訴求軸やデザインの異なる広告素材を複数生成します。従来は制作コストの制約から数パターンしか試せなかった検証を、大幅に増やせます。
配信結果をもとに次の案を作る循環が速くなるため、成果の改善サイクルが短縮されます。マーケティング部門での導入が進んでいる理由です。
商用利用を前提とする場合は、学習データの出所が明確なサービスを選ぶ必要があります。この確認が制作フローに組み込まれているかが実務上の分かれ目になります。
事例7:商品画像の背景差し替えと加工
既存の商品写真の背景を差し替えたり、掲載媒体に合わせて構図を調整したりする作業です。撮り直しが不要になるため、撮影コストと時間が削減されます。
ECサイトのように商品点数が多い事業では、この反復作業が大きな負担になっています。季節ごとの入れ替えやキャンペーン対応にも効果が出ます。
既存のデザインツールに機能として組み込まれているケースも多く、新たなツールを導入せずに始められる点も普及の要因になっています。
事例8:研修動画の制作と多言語展開
テキストを入力するだけで、人物が話しているように見える動画を生成する技術です。撮影、編集、ナレーション収録にかかっていた工数を大幅に短縮できます。
特に効果が大きいのが多言語展開です。一度制作した内容を複数言語に展開する際の費用と時間を抑えられるため、海外拠点を持つ企業で活用されています。
内容の更新が頻繁な社内研修とも相性が良い領域です。制度変更のたびに撮り直す必要がなくなります。
事例9:通話・会議音声の分析
コールセンターの通話をテキスト化し、内容を分類・分析する用途です。どんな問い合わせが多いか、どの説明で顧客が離脱しているかを把握できます。
従来は担当者が録音を聞き返して集計していた作業が自動化されます。全通話を対象にできるため、抽出したサンプルより実態に近い分析が可能になります。
分析結果は、FAQの改善、商品説明の見直し、応対品質の向上に活用されます。記録の自動化にとどまらず、改善の材料を生む点が本質的な価値です。
【コード生成・データ活用】の活用事例4選
開発とデータ分析の領域でも、生成AIの活用が定着しつつあります。専門スキルがないと扱えなかった作業の裾野が広がった点が共通しています。
ここでは、4つの事例を紹介します。
事例10:コード補完による実装工数の削減
エディタに組み込み、書きかけのコードの続きを提案する使い方です。定型的な実装や、慣れていない言語を扱う場面で効果が大きくなります。
開発環境を変えずに導入できるため、組織への展開がしやすい領域です。既存の作業手順を変えないまま、実装にかかる時間を短縮できます。
近年は、指示を与えると複数ファイルにまたがる修正を実行する構成も登場しています。生成量が増えるほどレビューの負荷は上がるため、確認体制の整備が同時に必要です。
事例11:テストコードとドキュメントの生成
実装したコードに対して、テストコードや技術文書を自動生成します。後回しになりがちな工程であるため、品質面での効果が出やすい領域です。
テストが整備されていない状態では、改修のたびに動作確認の負担が発生します。この基盤が整うことで、以降の開発速度にも影響します。
既存システムの仕様書が失われているケースでも、コードから内容を読み取って文書化する用途があります。保守の属人化を解消する手段になります。
事例12:顧客データのラベル自動生成
顧客の行動データや購買履歴に、生成AIが分類のためのラベルを付与する使い方です。従来は人手で定義していた分類軸を、大量かつ高速に生成できます。
ある事業者では、生成AIの活用によって約1万のラベルが自動生成され、顧客インサイトの獲得につながったと公表されています。
自然言語でターゲットを定義できるようになると、分析スキルを持たない担当者もデータ活用に参加できます。分析部門への依頼待ちが減る点も効果です。
事例13:自然言語によるデータ分析
「先月の地域別売上を比較して」といった指示から、集計とグラフ化を実行する使い方です。データベースの操作言語を知らなくても、分析を依頼できます。
従来は分析担当者に依頼し、結果を待つ必要がありました。その場で確認できるようになると、検討の往復が減り意思決定が速くなります。
注意点は、集計結果の妥当性を確認する仕組みです。数値そのものはデータベースが計算し、生成AIは指示の解釈と結果の説明を担うという役割分担が精度を安定させます。
【公共・自治体】の活用事例2選
公共分野の事例は、仕様や成果が公開されることが多く、民間企業にとっても要件定義の参考にしやすい情報源です。
ここでは、自治体での2つの取り組みを紹介します。
事例14:紙資料の電子化と横断検索
自治体業務では、資料の形式や保管場所が統一されておらず、必要な情報を探すのに時間がかかるという課題があります。紙のまま保管されている資料も少なくありません。
富山県では、紙資料を文字認識で電子化したうえで、生成AIとマルチモーダルAIを導入する実証実験が行われました。電子化したPDFや画像データを対象に、異なる文書間での横断検索を可能にする取り組みです。
その結果、担当部署や資料を特定するまでの時間を短縮できたと報告されています。紙の書類が残る業務ほど、文字認識と生成AIの組み合わせによる効率化の余地が大きい傾向があります。
事例15:住民からの問い合わせ対応
ごみの分別方法、各種手続きの必要書類、施設の開館情報といった定型的な質問に、24時間応答する仕組みです。窓口の受付時間外にも対応でき、電話が集中する時間帯の負担を分散できます。
庁内向けに、職員からの問い合わせに答える構成を採る事例もあります。制度に関する照会が特定の担当者に集中する状況を緩和する用途です。
公共分野では回答の正確性が特に重視されます。根拠となる案内ページを併記し、判断を伴う相談は窓口へ誘導する設計が基本になります。
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全社展開まで到達した企業の進め方
個別の業務で成果が出ても、全社へ広げられる企業は限られます。分かれ目になるのは、環境とルールを同時に整えたかどうかです。
ここでは、全社展開に至った企業に共通する3つの動きを整理します。
公式の利用環境を早期に用意している
社員が個人の判断で無料版の生成AIを業務に使い始める状態は、情報管理上のリスクになります。禁止しても水面下で利用が続くのが実情です。
パナソニック コネクトでは、自社向けのAIアシスタントを構築し、2023年2月から国内全社員に展開したと公表されています。生産性の向上と社員のスキル向上に加え、許可のない個人利用のリスクを軽減する目的が挙げられています。
この順序が重要です。禁止から入るのではなく、安全に使える公式環境を先に用意し、そこへ利用を集約するという設計が、結果的にリスクを下げます。
利用ルールを環境と同時に配布している
環境だけ用意しても、何を入力してよいかが分からなければ使われません。入力してよい情報の範囲、禁止する情報の種類、判断に迷ったときの相談先を明文化します。
ルールは配って終わりではなく、実際の業務例を使った説明が必要です。抽象的な禁止事項だけでは、現場は判断できません。
全社展開を前提とする場合は、アクセス権限の管理、利用ログの取得、部署ごとの参照範囲の設定も要件に含めます。
利用状況を可視化して定着を追っている
導入したものの使われていないという状態は、利用状況を見ていなければ気づけません。部署ごとの利用率を月次で確認する運用が必要です。
利用が伸びない部署には、業務に即した使い方を個別に提示します。汎用的な操作説明では、自分の業務に置き換えられないためです。
成果が出た使い方は社内で共有します。外部の事例より社内の事例のほうが具体的に理解でき、次の適用領域を生みます。
生成AI特有の3つのリスクと対策
従来のAIにはなかった論点が、生成AIには存在します。事例の華やかさに目を奪われず、この3点を設計に組み込んでおく必要があります。
ここでは、対策とあわせて整理します。
リスク1:事実と異なる内容の生成
生成AIは、もっともらしい表現で誤った内容を出力することがあります。この性質は完全には解消できないため、起きる前提で運用を設計する必要があります。
対策の基本は3点です。回答の根拠となる文書を提示させること、参照する範囲を社内文書に限定すること、人が確認する工程を残すことです。
業務ごとに必要な精度も決めます。人が事後に確認できる業務であれば完璧な精度は不要であり、目標を上げすぎると費用だけが膨らみます。
リスク2:許可のない個人利用による情報流出
会社が導入する前から、社員が個人アカウントで生成AIを業務に使っているケースは珍しくありません。この状態では、入力した情報がどこへ渡っているか把握できません。
禁止だけでは解決しません。業務が楽になる手段を取り上げられれば、利用は水面下へ移るだけです。
有効なのは、法人向けプランで安全な環境を用意し、そこへ利用を集約することです。利便性で公式環境が上回れば、私的利用は自然に減ります。
リスク3:生成物の権利関係
生成された文章や画像の取り扱いについて、事前の確認が必要です。利用するサービスごとに、生成物の権利や商用利用の条件が異なります。
文化庁は「AIと著作権に関する考え方について」を公表し、開発・学習段階と生成・利用段階に分けて整理しています。あわせてチェックリストとガイダンスも公開されており、確認の手がかりになります。
実務では、利用するサービスの規約を確認し、社内で扱ってよい範囲をルール化しておくことが基本です。特に外部に公開する制作物では、確認の工程を制作フローに組み込みます。
出典:文化庁「AIと著作権について」 https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/aiandcopyright.html
関連記事:農業のAI活用事例|作業別の使いどころと支援制度・導入の順序【2026年】
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事例を再現できない企業に共通する3つの状態
同じツールを導入しても、成果が出る企業と出ない企業に分かれます。差が生まれるのは技術ではなく、着手前の準備と社内の状態です。
ここでは、事例を再現できない企業に共通して見られる3つの状態を挙げます。
状態1:参照させる文書が整理されていない
生成AIの回答品質は、参照する文書の品質にほぼ比例します。内容が古い、記述が矛盾している、そもそも文書化されていないという状態では、どのツールを使っても精度は出ません。
事例で紹介されている企業は、この整理を先に済ませているか、取り組みのなかで並行して進めています。文書の棚卸しは地味な工程ですが、成否を分ける前提条件です。
文書化されていない知識が見つかることもあります。この文書化自体が、生成AI導入の副次的な成果として組織に残ります。
状態2:使う側が指示の出し方を知らない
同じツールでも、指示の出し方によって出力の質は大きく変わります。曖昧な依頼には曖昧な回答しか返らないため、要件を言語化する力がそのまま成果の差になります。
「資料を作って」ではなく、目的、想定読者、構成、文字数、参考にすべき既存資料を指定するだけで、結果はまったく違います。この差を知らないまま使うと、期待外れの印象だけが残ります。
対策は、自社の業務を題材にした説明を行うことです。汎用的な操作研修では、現場は自分の業務に置き換えられません。
状態3:使う場面が業務手順に組み込まれていない
ツールを配っただけでは、日常業務のなかで思い出されません。「使ってよい」状態と「使うことになっている」状態には大きな差があります。
定着した企業では、業務手順のどの工程で使うかが明記されています。議事録は会議後にAIで下書きを作る、提案書はまずAIに構成案を出させる、といった具体的な組み込みです。
手順書の更新も必要です。AIを使う工程が記載されていないと、担当者が変わったときに元のやり方へ戻ります。
自社で生成AI活用を始める4ステップ
事例を自社の取り組みに変えるには、順序があります。ツールを配るところから始めると、使われないまま契約だけが残ります。
ここでは、着手から定着までの流れを4段階で整理します。
ステップ1:最初に取り組む業務を選ぶ
対象に選ぶべきなのは、発生頻度が高く、誤っても人が確認して修正できる業務です。議事録作成、社内文書の検索、資料の下書き作成が典型的な候補になります。
全社的な仕組みを最初から作ろうとすると、要件が膨らみ判断できない規模になります。ひとつの業務に絞ることで、成果も明確に測れます。
この段階で、導入前の状態を数値で記録します。作業時間、処理件数、対応品質に関する数値がないと、後から効果を説明できません。
ステップ2:安全な環境とルールを同時に用意する
法人向けプランを選び、入力内容が学習に使われない設定を確認します。保存期間、アクセス権限、監査ログの取得可否もあわせて確認します。
環境の用意と同時に、利用ルールを配布します。入力してよい情報の範囲、禁止する情報、相談先を明記した文書を用意します。
この2つを同時に行うことが重要です。環境だけでは使い方が分からず、ルールだけでは使う場所がありません。
ステップ3:業務に即した使い方を教える
汎用的な操作説明では、現場は自分の業務に置き換えられません。実際の業務データと課題を題材にした説明が、定着率を左右します。
部署ごとに使う場面は異なります。営業であれば商談記録、経理であれば書類確認というように、対象業務に沿った内容で伝えます。
あわせて、うまくいかない例も共有します。どんな指示だと精度が落ちるかを知っておくことで、無駄な試行錯誤を減らせます。
ステップ4:利用状況を見ながら広げる
展開後は、利用率と成果を定期的に確認します。利用が伸びない場合、原因は性能ではなく業務との噛み合わせにあることが多い傾向があります。
成果が確認できたら、隣接する業務へ広げます。ひとつの成功事例が社内にあると、次の投資判断も通りやすくなります。
この段階で、既製ツールでは対応しきれない要件が見えてくることもあります。そのときが、自社に合わせた仕組みの構築を検討するタイミングです。
関連記事:建設業のAI活用事例|書類業務からの着手と制度変更への備え【2026年最新】
まとめ:種類を絞り、環境とルールを同時に整える
生成AIの活用事例は、テキスト、画像・動画・音声、コード、データ活用という種類で整理すると、自社への転用先が見つけやすくなります。種類によって適用できる業務も、必要な確認事項も変わるためです。
市場は拡大を続けており、世界の生成AI市場は2030年に3,561億ドル、AI市場全体の43.1%まで伸びると予測されています。一方で国内企業の活用は、文書作成の補助で32.1%という段階にとどまっています。
全社展開まで到達した企業に共通していたのは、安全に使える公式環境と利用ルールを同時に用意し、利用状況を可視化して定着を追っている点でした。禁止から入るのではなく、公式環境へ利用を集約する設計です。
そのうえで押さえるべきは、誤生成、許可のない個人利用、生成物の権利関係という3つのリスクです。発生頻度が高く誤りを修正できる業務ひとつに絞って始め、成果を確認してから広げる進め方が、最も確実な進め方になります。
社外AI役員サービスご紹介資料
この資料でこんなことがわかります!
- 社外AI役員とは
- 支援内容
- 導入の進め方
- 導入実績・効果
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この記事の監修者
石丸真平
NEXTSCALE コンサルタント / AI活用・業務効率化支援
ワイヤー段階では、監修者名、肩書き、プロフィール本文、関連リンク、著者導線がどのように入るかを確認できる構成にしています。実装時には実際のプロフィール文や外部リンク、SNSアカウント情報などに差し替える想定です。

