業務効率化はフローの見直しから!作り方・改善手法・ツール活用法をわかりやすく解説
2026年8月9日
著者:NEXT SCALE編集部
監修者:石丸真平

「何が非効率なのかわからない」「改善したいが、どこから手をつけていいかわからない」――業務効率化が進まない企業に共通するのは、現在の業務フローが可視化されていないという問題です。
業務フロー(ワークフロー)とは、ある業務が開始されてから完了するまでの作業の流れを図や表で可視化したものです。業務フローを作成すると、「誰が・何を・どの順番で・どれくらいの時間をかけて」行っているかが一目でわかり、ムリ・ムダ・ムラの発見と改善が可能になります。
この記事では、業務フローの基本と作り方、フローチャートの記号と書き方、業務フローから非効率を発見する5つのチェックポイント、改善の4つの手法(ECRS)、フロー作成・改善に使えるツール、そして改善の成功事例まで体系的に解説します。
| 確認したいポイント | 結論 | 詳細 |
| 業務フローとは? | 業務の流れを図で可視化したもの | 開始→作業→判断→分岐→終了の流れを図示し、「誰が・何を・どの順番で」行っているかを一目で把握できるようにしたもの。 |
| なぜフローが必要? | 可視化しなければ改善すべき箇所が特定できない | 業務フローなしでは属人化・重複作業・承認の滞留など非効率の発見が困難。「見える化」が業務効率化の出発点。 |
| フローの作り方は? | 業務棚卸し→手順整理→フローチャート作成の3ステップ | 全業務を洗い出し、各作業の担当者・所要時間・インプット/アウトプットを整理し、フローチャートの記号で図示する。 |
| 非効率の発見ポイントは? | 滞留・重複・手戻り・属人化・過剰承認の5つ | 承認待ちの滞留時間、同じ作業の重複、やり直しの手戻り、特定の人にしかできない属人化、必要以上の承認ステップ。 |
| 改善の手法は? | ECRS(排除・結合・置換・簡素化)の4原則 | E:不要な工程を排除、C:類似工程を結合、R:手作業をITに置換、S:複雑な手順を簡素化。この順番で検討するのがECRS。 |
| 使えるツールは? | Miro・Lucidchart・Notion・Power Automate等 | フローチャート作成にMiro/Lucidchart、業務整理にNotion/Excel、ワークフロー自動化にPower Automate/kintone。 |
| 成功のコツは? | 現場の担当者を巻き込んだ「ボトムアップ」型が定着する | 経営層の指示だけで作ったフローは現場の実態と乖離しやすい。実際に業務を行う担当者を巻き込んで作成・改善するのが定着の鍵。 |
この記事でわかること
- 業務フローの基本概念と、業務効率化における「可視化」の重要性が理解できる
- フローチャートの主要記号と、業務フローの具体的な作り方を実践できる
- 滞留・重複・手戻り・属人化・過剰承認の5つのチェックポイントで非効率を発見できる
- ECRS(排除・結合・置換・簡素化)の4原則で改善策を体系的に立案できる
- Miro・Lucidchart・Power Automateなどのツール活用と自動化の進め方がわかる
業務フローとは何か
業務フローの定義
業務フロー(ワークフロー)とは、ある業務が開始されてから完了するまでの一連の作業手順を、図や表で可視化したものです。「誰が」「何を」「どの順番で」「どの条件で判断して」行うのかを図示することで、業務の全体像を関係者全員が共有できるようになります。
なぜ業務フローの可視化が業務効率化の出発点なのか
業務フローを作成する最大のメリットは、「見えていなかった非効率」が見えるようになることです。属人化している作業、不要な承認ステップ、同じ作業の重複、手戻りが発生しやすい箇所など、日常業務に埋もれた非効率は、フロー図にすることで初めて客観的に発見できます。
業務効率化の最新情報については、ネクストスケールのAI関連記事でも紹介しています。
業務フローの作り方
ステップ1:業務の棚卸し
まず対象業務のすべての作業を洗い出します。「いつ・誰が・何を・どの順番で・どれくらいの時間をかけて」行っているかを、現場の担当者にヒアリングしながら一覧にします。この段階では漏れなく書き出すことが最優先です。
ステップ2:手順の整理とインプット/アウトプットの明確化
洗い出した作業を時系列に並べ、各作業のインプット(入力情報)とアウトプット(出力物)を明確にします。「この作業は何がないと開始できないか」「この作業の結果何が生まれるか」を整理することで、作業間の依存関係が見えてきます。
ステップ3:フローチャートの作成
整理した手順をフローチャートの記号で図示します。主要な記号は、楕円(開始・終了)、長方形(処理・作業)、ひし形(判断・分岐)、矢印(流れの方向)の4つです。スイムレーン(縦線で担当者・部門を区分する線)を使うと、部門間の連携や引き継ぎポイントが視覚的に把握できます。
| 記号 | 形状 | 意味 | 使用例 |
| 楕円 | 角丸の楕円形 | 開始・終了 | 「受注確認開始」「処理完了」 |
| 長方形 | 四角形 | 処理・作業 | 「見積書作成」「データ入力」 |
| ひし形 | ダイヤモンド形 | 判断・分岐 | 「承認?」→Yes/No |
| 矢印 | 線+矢じり | 流れの方向 | 作業Aから作業Bへの流れ |
マーケティング業務のフロー設計については、マーケティング支援サービスの詳細もご参照ください。
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業務フローから非効率を発見する5つのチェックポイント
チェック1:承認待ちの滞留
フロー上で承認を待つ時間が長い箇所がないか確認します。上司が不在で承認が止まる、複数の承認が直列に並んでいて時間がかかる、といった滞留はフロー図で一目で発見できます。
チェック2:同じ作業の重複
同じデータを異なる担当者が別々に入力している、同じ情報を複数のシステムに転記している、といった重複作業はコストと時間の無駄です。
チェック3:手戻りの発生
フロー上で前の工程に戻る矢印が多い箇所は、手戻り(やり直し)が頻発していることを示します。手戻りの原因(指示の曖昧さ、チェック不足等)を特定し、発生を防ぐ仕組みを組み込みます。
チェック4:属人化
フロー上で特定の担当者名しか入らない工程は属人化のサインです。その人が不在になると業務が止まるリスクを抱えており、マニュアル化や多能工化による対策が必要です。
チェック5:過剰な承認ステップ
少額の経費や定型的な申請にまで複数の承認者を経由するフローになっていないか確認します。リスクに見合わない承認プロセスは、権限委譲や決裁基準の見直しで簡素化できます。
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ECRS(イクルス)の4原則で業務フローを改善する
| 原則 | 意味 | 具体例 | 効果 |
| E:Eliminate(排除) | 不要な工程・作業を排除する | 形骸化した報告書の廃止、不要な承認ステップの削除 | 工数の直接削減 |
| C:Combine(結合) | 類似した工程を統合する | 別々に行っていた入力作業を1回にまとめる | 重複作業の解消 |
| R:Rearrange/Replace(置換) | 順番の入れ替えやITへの置換 | 手作業の集計をExcel関数やRPAに置き換え | 速度向上・ミス削減 |
| S:Simplify(簡素化) | 複雑な手順を簡素化する | 記入項目の削減、テンプレートの導入 | 作業負荷の軽減 |
ECRSはE→C→R→Sの順番に検討するのが鉄則です。まず「そもそも不要な作業ではないか」を確認し(E)、必要な作業は統合できないか検討し(C)、次にIT化で置き換えられないか考え(R)、最後に残った作業を簡素化します(S)。
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業務フロー作成・改善に使えるツール
| ツール名 | 用途 | 特徴 | 適した場面 |
| Miro | フローチャート作成・共同編集 | 直感的なUI。リアルタイム共同編集。テンプレート豊富 | チームでの業務フロー作成・ブレスト |
| Lucidchart | フローチャート・プロセスマップ作成 | 本格的な作図機能。他ツール連携が豊富 | 正式な業務フロー図の作成・ドキュメント化 |
| Notion | 業務棚卸し・手順整理・ドキュメント管理 | データベース+ドキュメントの統合管理 | 業務一覧の整理・マニュアル作成 |
| Power Automate | ワークフローの自動化 | Microsoft 365と統合。ノーコードで自動化 | 承認フロー・通知・データ連携の自動化 |
| kintone | 業務アプリ構築・ワークフロー管理 | ノーコードで業務アプリを構築。日本企業に人気 | 申請承認・案件管理・日報管理の仕組み化 |
自動化の前に「可視化→標準化」が必須
業務効率化でよくある失敗は、業務フローを可視化・標準化しないまま、いきなりRPAやAIで自動化しようとすることです。非効率なプロセスをそのまま自動化すると、「間違ったことを高速で繰り返す」結果になります。
正しい順番は「可視化→標準化→自動化」です。まず業務フローを可視化してムダを発見し(可視化)、ECRSで工程を整理してマニュアルを作成し(標準化)、標準化された定型業務をRPA・AI・ワークフローツールで自動化します(自動化)。
業務フロー改善の成功のコツ
現場の担当者を巻き込む
経営層やコンサルタントだけで作った業務フローは、現場の実態と乖離しやすいです。実際に業務を行う担当者を巻き込んでフローを作成・検証することで、「机上の空論」ではない実効性のある改善が実現します。
定期的にフローを見直す
業務フローは一度作って終わりではなく、組織変更・ツール導入・法改正・業務量の変化に応じて定期的に更新する必要があります。半年〜1年に1回のフロー見直しをルーティン化することで、非効率の再発を防止します。
小さい業務から始める
全社の業務フローを一度に作成しようとすると、工数が膨大になり挫折しやすいです。まず「最も非効率を感じている1つの業務」からフローを作成し、改善効果を実感してから対象を拡大するスモールスタートが成功率を高めます。
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業務効率化に関する政府の取り組みについては、参照:総務省「令和7年版 情報通信白書」もご確認ください。
DX活用の最新動向は、ネクストスケールのニュースページで随時発信しています。
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まとめ
業務効率化の出発点は、業務フローの可視化です。「誰が・何を・どの順番で」行っているかをフローチャートで図示することで、日常業務に埋もれた非効率(滞留・重複・手戻り・属人化・過剰承認)が客観的に発見できます。
発見した非効率は、ECRS(排除→結合→置換→簡素化)の4原則で体系的に改善します。Miro・Lucidchartでフローを作成し、Power Automate・kintoneでワークフローを自動化する流れが2026年の標準的なアプローチです。
最も重要なのは「可視化→標準化→自動化」の順番を守ることです。いきなり自動化に飛びつくのではなく、まず業務フローを可視化して現状を把握し、ECRSで工程を整理してから自動化に進む。この順番を守れば、業務効率化の効果は確実に積み上がります。
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この記事の監修者
石丸真平
NEXTSCALE コンサルタント / AI活用・業務効率化支援
ワイヤー段階では、監修者名、肩書き、プロフィール本文、関連リンク、著者導線がどのように入るかを確認できる構成にしています。実装時には実際のプロフィール文や外部リンク、SNSアカウント情報などに差し替える想定です。

